こんにちは、むひっぴです。
小春日和の今日この頃、昼間の気温と天気予報を見て、急いでお外に飛び出したローディが多数いるのではないかと思います。
そんな週末、皆様はいかがおすごしでしたか?
僕も例に洩れず、散歩に出かける飼い犬のごとく尻尾を振りながらダッシュでお外に飛び出したので、その様子を書いてみます。
思い立ったのは、ライド出発の前日。
決めていたのは、南に走ることと300km位走ること。
去年に4号線で福島まで行ったし、4号線をまっすぐ南下するのは芸がない。
だから、寄り道して仙台までルートを引いてみよう。
SNSで見た牡鹿半島の写真が素晴らしかったので、そこをルートに入れたら・・・ちょうど300km位じゃないか!
行こうじゃないか!牡鹿半島!
ということで、できあがったのが今回のルートです。
ルートラボで見たい方はこちらからどうぞ。
当初計画では、1:00に家を出発して、走行時間は15時間と考えていました。
計画通りに行けば、午前中に牡鹿半島を走り終え、お昼過ぎに松島について海鮮丼を食べ、16:00には仙台駅に着いて、ホテルにチェックインして、夜の街に繰り出す!という見積もりだったわけです。
我ながら甘い…
出発前日、19:00に寝て、起きたのは1:30。・・・早速寝坊だわ。
30分で支度して、出発したのが2:00。
兎にも角にも、僕は深夜の住宅街に降り立ったわけなのです。
みんなが眠っている中で、独りの冒険が始まると考えると、なんだか誇らしい気持ちになります。
予報では、最低気温が-2℃らしいのでそこまで重装備じゃなくても構わないだろうと、走りやすさを重視した装備でお出かけしました。
走り出してしばし、石鳥谷まで来るともうそこらの車のフロントガラスは凍っています。
やっぱり石鳥谷~北上あたりは、盛岡よりいつも1~2℃最低気温が低いですね。
足の指は既に感覚がありません。薄手のトゥーカバーの限界でしょう。
まあ、でも脚は動くから良しとして走り続けます。
月灯りはありますが、普段と時間帯が違うので、自分がどこを走っているかわからなくなってきます。やけにガソリンスタンドとコンビニが目立ちますし、ちょっとした坂道に「こんな坂あった!?」ってなります。
これまで、日が登らない内から国道4号を走行することがなかったので、なにかと新鮮です。
5:30頃に前沢を走っている頃から徐々に辺りが明るくなってきました。
6:00に平泉に入るころには日が登り、朝もやがかかり出します。これがまた美しい。
こういうのを見ると、深夜から走ってよかったと思います。
一関から先は、国道342号を進み、徐々に沿岸方面に向かいます。
花泉付近は、道の状態が良く直線が続くので、それはもう気持ち良く走れます。
「気持ちいい…」と一人呟きながら走っています。基本的に独り言が多いのがとても恥ずかしいです。
花泉付近で走行距離100kmほど、既に脚の疲労感をかなり感じます。
頑張って結構な頻度でローラーを回していたのですが…
ロングライドの筋肉は別筋なんだなぁ、と思います。
同時に、「この辺で、帰りてえなぁ」って思い始めます。
ただ、宿は予約してるし、着替えも送ってしまっています。
事前に退路を断ってしまっているので、走らざるを得ません。
一瞬、過去の自分に憎しみが湧きました。
とはいえ、前もどこかで書きましたが、ロングライドの達成には退路を事前に断つことも必要と感じます。
積極的に未来の自分の尻を叩くのです。
そんなこんなで、心に沸き立つ一抹の憎しみとともにペダルを回し続けた結果、無事に宮城県に入ることができました。
4号線を南下するルートだと、なぜか宮城県に入ったことを表す標識がないので、ちょっと嬉しいです。
へー、石ノ森章太郎記念館は石巻市にあるけど、生誕の地は登米市なんだね。意外。
登米市は、広くて立派な田んぼが立ち並んでいます。
これはこれで見ごたえがありますね。
とうとう看板に石巻の文字が出てきます。
ここで140km地点。ここで全体のおおよそ半分。
ゆっくり走ってきたにも関わらず、脚はほぼ売り切れで、この後の道のりに不安を感じていました。
そして、ここから先が長かった。疲れた脚を騙し騙しペダルをこぎ続けます。
なんとか石巻市に到着。
石巻市では、田んぼの準備を進めていました。
緑の袋は全部「もみ殻」で土壌改良のために全部田んぼに撒くようです。
結構、異様な光景に見えます。
女川町に近づいたところで、ようやく海が見えました。
女川町のマンホールがカワイイ。
女川町に入って海沿いを走っていくと、ようやく海向こうに牡鹿半島が見え始めます。
ここまで本当に長かった。175km辺りでようやく牡鹿半島に入ります。
看板の「コバルトライン」は、牡鹿半島の真ん中を貫いている道で、ルートラボではこの付近だけがノコギリのようにギザギザしていました。
今更逃げることもできないので、覚悟を決めて、ギアをインナーローにブチ込みます。
唸れ!乙女ギア!
既に180kmを走って衰弱した脚に襲い掛かる重力。
勾配9%の看板なのに、その後13%(GARMIN計測)まで上がる斜度。
インナーローに入れているとわかっていても、ギアを下げようとする右手の薬指。
止まらない道への罵倒。
結論、メチャクチャシンドイ。
でも、登っていくと、その疲れを癒してくれる景色があります。
春の海と青空の色彩の美しさに脳みそが溶け出すような気がしました。
多幸感がエグイです。
深夜から漕ぎ続けているからテンションがおかしくなっていることもあるとは思います。
でも、自分の足でここまでやってきて、この景色を見ているということが、とても幸せなのだと思いました。
どこもかしこもフォトジェニックで何枚も写真を撮ってしまいました。
最初の登りで写真を撮りまくり、ご満悦になったところで、残りの距離数を考え始めます。
牡鹿半島ってあとどのくらい走るんだろうか?
まあ、全体で300kmくらいだから残り20~30km位かな?
なんて思っていましたが、牡鹿半島は全行程で60km。ほぼ全行程登りか下り。
そのことを当時の僕は知らず、終わらないコバルトラインに一喜一憂していたわけです。
GARMINのナビは、なぜか何もないまっすぐな道で右折を指示して、僕を谷底に落とそうとするし、地味に気が抜けません。
ようやくコバルトラインの終点まで残り4kmとわかった時には心底安堵しました。
牡鹿半島の先っちょ付近にある御番所公園からの眺めもとても良いです。
ただ、何度も言いますが、脚はほぼ限界です。
牡鹿地区?まで来ると、一気に町っぽい雰囲気になります。
造成工事も行っているようです。
歩道では海藻を干していました。
そうして、コバルトラインを走り終え、沿岸よりの道に入ったわけですが、やっぱり登っては下っての道が続きます。
走行距離210km。この辺りからペダルをこぐたびに奇声を発し始め、段々と人様にお見せできない様相を呈してきます。
「松島で海鮮丼を食べよう!」なんて思っていましたが、牡鹿半島を出たころには、時刻は既に16:00。
松島の海鮮丼を出すお店は17:00閉店です。
あと何kmかわからない僕は、「まあ、間に合うだろ!」と思っていたわけですが…
松島までの距離は、実は35km。間に合うはずがない。
そして、ここから強めの向かい風に煽られる。
ただ、ここで唐突に、ここまで苦しく・重かった脚がなぜか軽くなったように感じて、意識しなくてもフルオートでペダルが勝手にクルクル回るようになる絶好調タイムが訪れます。
超ロングライドでたまにありますけど、なんなんですかね。あれ?
共感できる人います?
結局松島についたのは、18:00頃。
全く間に合いませんでした。
日が沈んでしばらくたってからでした。
残念ながら、海鮮丼はお預けです。
その後も、おおむね絶好調でペダルを回し続け、塩釜を抜けて(塩釜の記憶がほぼございません)、仙台市にイン。
深夜から漕いでいるため、襲ってくる眠気に抗い、残りの距離数を数分置きに確認しながら、何とか仙台駅東口までやってきました。
ホッと一息。
これまでかいた汗が冷えて寒いです。
ホテルにチェックインする前に、なか卯で海鮮丼食べました。
ノルマ達成。
虚しくなんてないんだからね。
次の日は、仙台駅から輪行で盛岡まで戻ってきたわけです。
折角の仙台なのに、朝飯が「なか卯」、昼飯が「びっくりドンキー」というツッコミどころ満載の食事でした。
そんなこんなで僕の今回の旅は終了したわけです。
今回のライドは、総じていうと「牡鹿半島最高かよ!」の一言に尽きると思います。
また行きたいですが、盛岡から行くのはもうこりごりです。
今度は、自動車にロード乗せて牡鹿半島だけ走って、石巻で海鮮丼食べて帰りたいですね。
ではでは、また次回。
【今回のリザルト】
経過時間:16h17m
移動時間:13h47m
平均速度:21.3km/h
獲得標高:2,568m
消費カロリー:4,541kcal
最低気温:-6℃(GARMIN内蔵温度計)
小春日和の今日この頃、昼間の気温と天気予報を見て、急いでお外に飛び出したローディが多数いるのではないかと思います。
そんな週末、皆様はいかがおすごしでしたか?
僕も例に洩れず、散歩に出かける飼い犬のごとく尻尾を振りながらダッシュでお外に飛び出したので、その様子を書いてみます。
思い立ったのは、ライド出発の前日。
決めていたのは、南に走ることと300km位走ること。
去年に4号線で福島まで行ったし、4号線をまっすぐ南下するのは芸がない。
だから、寄り道して仙台までルートを引いてみよう。
SNSで見た牡鹿半島の写真が素晴らしかったので、そこをルートに入れたら・・・ちょうど300km位じゃないか!
行こうじゃないか!牡鹿半島!
ということで、できあがったのが今回のルートです。
ルートラボで見たい方はこちらからどうぞ。
当初計画では、1:00に家を出発して、走行時間は15時間と考えていました。
計画通りに行けば、午前中に牡鹿半島を走り終え、お昼過ぎに松島について海鮮丼を食べ、16:00には仙台駅に着いて、ホテルにチェックインして、夜の街に繰り出す!という見積もりだったわけです。
我ながら甘い…
出発前日、19:00に寝て、起きたのは1:30。・・・早速寝坊だわ。
30分で支度して、出発したのが2:00。
兎にも角にも、僕は深夜の住宅街に降り立ったわけなのです。
みんなが眠っている中で、独りの冒険が始まると考えると、なんだか誇らしい気持ちになります。
予報では、最低気温が-2℃らしいのでそこまで重装備じゃなくても構わないだろうと、走りやすさを重視した装備でお出かけしました。
走り出してしばし、石鳥谷まで来るともうそこらの車のフロントガラスは凍っています。
やっぱり石鳥谷~北上あたりは、盛岡よりいつも1~2℃最低気温が低いですね。
足の指は既に感覚がありません。薄手のトゥーカバーの限界でしょう。
まあ、でも脚は動くから良しとして走り続けます。
月灯りはありますが、普段と時間帯が違うので、自分がどこを走っているかわからなくなってきます。やけにガソリンスタンドとコンビニが目立ちますし、ちょっとした坂道に「こんな坂あった!?」ってなります。
これまで、日が登らない内から国道4号を走行することがなかったので、なにかと新鮮です。
5:30頃に前沢を走っている頃から徐々に辺りが明るくなってきました。
6:00に平泉に入るころには日が登り、朝もやがかかり出します。これがまた美しい。
こういうのを見ると、深夜から走ってよかったと思います。
一関から先は、国道342号を進み、徐々に沿岸方面に向かいます。
花泉付近は、道の状態が良く直線が続くので、それはもう気持ち良く走れます。
「気持ちいい…」と一人呟きながら走っています。基本的に独り言が多いのがとても恥ずかしいです。
花泉付近で走行距離100kmほど、既に脚の疲労感をかなり感じます。
頑張って結構な頻度でローラーを回していたのですが…
ロングライドの筋肉は別筋なんだなぁ、と思います。
同時に、「この辺で、帰りてえなぁ」って思い始めます。
ただ、宿は予約してるし、着替えも送ってしまっています。
事前に退路を断ってしまっているので、走らざるを得ません。
一瞬、過去の自分に憎しみが湧きました。
とはいえ、前もどこかで書きましたが、ロングライドの達成には退路を事前に断つことも必要と感じます。
積極的に未来の自分の尻を叩くのです。
そんなこんなで、心に沸き立つ一抹の憎しみとともにペダルを回し続けた結果、無事に宮城県に入ることができました。
4号線を南下するルートだと、なぜか宮城県に入ったことを表す標識がないので、ちょっと嬉しいです。
へー、石ノ森章太郎記念館は石巻市にあるけど、生誕の地は登米市なんだね。意外。
登米市は、広くて立派な田んぼが立ち並んでいます。
これはこれで見ごたえがありますね。
とうとう看板に石巻の文字が出てきます。
ここで140km地点。ここで全体のおおよそ半分。
ゆっくり走ってきたにも関わらず、脚はほぼ売り切れで、この後の道のりに不安を感じていました。
そして、ここから先が長かった。疲れた脚を騙し騙しペダルをこぎ続けます。
なんとか石巻市に到着。
石巻市では、田んぼの準備を進めていました。
緑の袋は全部「もみ殻」で土壌改良のために全部田んぼに撒くようです。
結構、異様な光景に見えます。
女川町に近づいたところで、ようやく海が見えました。
女川町のマンホールがカワイイ。
女川町に入って海沿いを走っていくと、ようやく海向こうに牡鹿半島が見え始めます。
ここまで本当に長かった。175km辺りでようやく牡鹿半島に入ります。
看板の「コバルトライン」は、牡鹿半島の真ん中を貫いている道で、ルートラボではこの付近だけがノコギリのようにギザギザしていました。
今更逃げることもできないので、覚悟を決めて、ギアをインナーローにブチ込みます。
唸れ!乙女ギア!
既に180kmを走って衰弱した脚に襲い掛かる重力。
勾配9%の看板なのに、その後13%(GARMIN計測)まで上がる斜度。
インナーローに入れているとわかっていても、ギアを下げようとする右手の薬指。
止まらない道への罵倒。
結論、メチャクチャシンドイ。
でも、登っていくと、その疲れを癒してくれる景色があります。
春の海と青空の色彩の美しさに脳みそが溶け出すような気がしました。
多幸感がエグイです。
深夜から漕ぎ続けているからテンションがおかしくなっていることもあるとは思います。
でも、自分の足でここまでやってきて、この景色を見ているということが、とても幸せなのだと思いました。
どこもかしこもフォトジェニックで何枚も写真を撮ってしまいました。
最初の登りで写真を撮りまくり、ご満悦になったところで、残りの距離数を考え始めます。
牡鹿半島ってあとどのくらい走るんだろうか?
まあ、全体で300kmくらいだから残り20~30km位かな?
なんて思っていましたが、牡鹿半島は全行程で60km。ほぼ全行程登りか下り。
そのことを当時の僕は知らず、終わらないコバルトラインに一喜一憂していたわけです。
GARMINのナビは、なぜか何もないまっすぐな道で右折を指示して、僕を谷底に落とそうとするし、地味に気が抜けません。
ようやくコバルトラインの終点まで残り4kmとわかった時には心底安堵しました。
牡鹿半島の先っちょ付近にある御番所公園からの眺めもとても良いです。
ただ、何度も言いますが、脚はほぼ限界です。
牡鹿地区?まで来ると、一気に町っぽい雰囲気になります。
造成工事も行っているようです。
歩道では海藻を干していました。
そうして、コバルトラインを走り終え、沿岸よりの道に入ったわけですが、やっぱり登っては下っての道が続きます。
走行距離210km。この辺りからペダルをこぐたびに奇声を発し始め、段々と人様にお見せできない様相を呈してきます。
「松島で海鮮丼を食べよう!」なんて思っていましたが、牡鹿半島を出たころには、時刻は既に16:00。
松島の海鮮丼を出すお店は17:00閉店です。
あと何kmかわからない僕は、「まあ、間に合うだろ!」と思っていたわけですが…
松島までの距離は、実は35km。間に合うはずがない。
そして、ここから強めの向かい風に煽られる。
ただ、ここで唐突に、ここまで苦しく・重かった脚がなぜか軽くなったように感じて、意識しなくてもフルオートでペダルが勝手にクルクル回るようになる絶好調タイムが訪れます。
超ロングライドでたまにありますけど、なんなんですかね。あれ?
共感できる人います?
結局松島についたのは、18:00頃。
全く間に合いませんでした。
日が沈んでしばらくたってからでした。
残念ながら、海鮮丼はお預けです。
その後も、おおむね絶好調でペダルを回し続け、塩釜を抜けて(塩釜の記憶がほぼございません)、仙台市にイン。
深夜から漕いでいるため、襲ってくる眠気に抗い、残りの距離数を数分置きに確認しながら、何とか仙台駅東口までやってきました。
ホッと一息。
これまでかいた汗が冷えて寒いです。
ホテルにチェックインする前に、なか卯で海鮮丼食べました。
ノルマ達成。
虚しくなんてないんだからね。
次の日は、仙台駅から輪行で盛岡まで戻ってきたわけです。
折角の仙台なのに、朝飯が「なか卯」、昼飯が「びっくりドンキー」というツッコミどころ満載の食事でした。
そんなこんなで僕の今回の旅は終了したわけです。
今回のライドは、総じていうと「牡鹿半島最高かよ!」の一言に尽きると思います。
また行きたいですが、盛岡から行くのはもうこりごりです。
今度は、自動車にロード乗せて牡鹿半島だけ走って、石巻で海鮮丼食べて帰りたいですね。
ではでは、また次回。
【今回のリザルト】
経過時間:16h17m
移動時間:13h47m
平均速度:21.3km/h
獲得標高:2,568m
消費カロリー:4,541kcal
最低気温:-6℃(GARMIN内蔵温度計)