もういっこください!~盛岡の自転車乗りブログ~

 盛岡在住の管理人が、日々、自転車に乗ったコース紹介など、岩手県の自転車情報を中心につないでいきます。

カテゴリ:自転車 > ロングライド

 こんにちは、むひっぴです。

 小春日和の今日この頃、昼間の気温と天気予報を見て、急いでお外に飛び出したローディが多数いるのではないかと思います。
 そんな週末、皆様はいかがおすごしでしたか?

 僕も例に洩れず、散歩に出かける飼い犬のごとく尻尾を振りながらダッシュでお外に飛び出したので、その様子を書いてみます。


 思い立ったのは、ライド出発の前日。
 決めていたのは、南に走ることと300km位走ること。
 去年に4号線で福島まで行ったし、4号線をまっすぐ南下するのは芸がない。
 だから、寄り道して仙台までルートを引いてみよう。
 SNSで見た牡鹿半島の写真が素晴らしかったので、そこをルートに入れたら・・・ちょうど300km位じゃないか!
 行こうじゃないか!牡鹿半島!
 ということで、できあがったのが今回のルートです。


 ルートラボで見たい方はこちらからどうぞ。


 当初計画では、1:00に家を出発して、走行時間は15時間と考えていました。
 計画通りに行けば、午前中に牡鹿半島を走り終え、お昼過ぎに松島について海鮮丼を食べ、16:00には仙台駅に着いて、ホテルにチェックインして、夜の街に繰り出す!という見積もりだったわけです。
 我ながら甘い…

 出発前日、19:00に寝て、起きたのは1:30。・・・早速寝坊だわ。
 30分で支度して、出発したのが2:00。

 兎にも角にも、僕は深夜の住宅街に降り立ったわけなのです。
 みんなが眠っている中で、独りの冒険が始まると考えると、なんだか誇らしい気持ちになります。
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 予報では、最低気温が-2℃らしいのでそこまで重装備じゃなくても構わないだろうと、走りやすさを重視した装備でお出かけしました。
 走り出してしばし、石鳥谷まで来るともうそこらの車のフロントガラスは凍っています。
 やっぱり石鳥谷~北上あたりは、盛岡よりいつも1~2℃最低気温が低いですね。
 足の指は既に感覚がありません。薄手のトゥーカバーの限界でしょう。
 まあ、でも脚は動くから良しとして走り続けます。
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 月灯りはありますが、普段と時間帯が違うので、自分がどこを走っているかわからなくなってきます。やけにガソリンスタンドとコンビニが目立ちますし、ちょっとした坂道に「こんな坂あった!?」ってなります。
 これまで、日が登らない内から国道4号を走行することがなかったので、なにかと新鮮です。

 5:30頃に前沢を走っている頃から徐々に辺りが明るくなってきました。
 6:00に平泉に入るころには日が登り、朝もやがかかり出します。これがまた美しい。
 こういうのを見ると、深夜から走ってよかったと思います。
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 一関から先は、国道342号を進み、徐々に沿岸方面に向かいます。
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 花泉付近は、道の状態が良く直線が続くので、それはもう気持ち良く走れます。
 「気持ちいい…」と一人呟きながら走っています。基本的に独り言が多いのがとても恥ずかしいです。
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 花泉付近で走行距離100kmほど、既に脚の疲労感をかなり感じます。
 頑張って結構な頻度でローラーを回していたのですが…
 ロングライドの筋肉は別筋なんだなぁ、と思います。
 同時に、「この辺で、帰りてえなぁ」って思い始めます。
 ただ、宿は予約してるし、着替えも送ってしまっています。
 事前に退路を断ってしまっているので、走らざるを得ません。
 一瞬、過去の自分に憎しみが湧きました。
 とはいえ、前もどこかで書きましたが、ロングライドの達成には退路を事前に断つことも必要と感じます。
 積極的に未来の自分の尻を叩くのです。

 そんなこんなで、心に沸き立つ一抹の憎しみとともにペダルを回し続けた結果、無事に宮城県に入ることができました。
 4号線を南下するルートだと、なぜか宮城県に入ったことを表す標識がないので、ちょっと嬉しいです。 
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 へー、石ノ森章太郎記念館は石巻市にあるけど、生誕の地は登米市なんだね。意外。
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 登米市は、広くて立派な田んぼが立ち並んでいます。
 これはこれで見ごたえがありますね。
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 とうとう看板に石巻の文字が出てきます。
 ここで140km地点。ここで全体のおおよそ半分。
 ゆっくり走ってきたにも関わらず、脚はほぼ売り切れで、この後の道のりに不安を感じていました。
 そして、ここから先が長かった。疲れた脚を騙し騙しペダルをこぎ続けます。
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 なんとか石巻市に到着。
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 石巻市では、田んぼの準備を進めていました。
 緑の袋は全部「もみ殻」で土壌改良のために全部田んぼに撒くようです。
  結構、異様な光景に見えます。
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 女川町に近づいたところで、ようやく海が見えました。
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 女川町のマンホールがカワイイ。
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 女川町に入って海沿いを走っていくと、ようやく海向こうに牡鹿半島が見え始めます。
 ここまで本当に長かった。175km辺りでようやく牡鹿半島に入ります。
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 看板の「コバルトライン」は、牡鹿半島の真ん中を貫いている道で、ルートラボではこの付近だけがノコギリのようにギザギザしていました。
 今更逃げることもできないので、覚悟を決めて、ギアをインナーローにブチ込みます。
 唸れ!乙女ギア!
 既に180kmを走って衰弱した脚に襲い掛かる重力。
 勾配9%の看板なのに、その後13%(GARMIN計測)まで上がる斜度。
 インナーローに入れているとわかっていても、ギアを下げようとする右手の薬指。
 止まらない道への罵倒。
 結論、メチャクチャシンドイ。
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 でも、登っていくと、その疲れを癒してくれる景色があります。
 春の海と青空の色彩の美しさに脳みそが溶け出すような気がしました。
 多幸感がエグイです。
 深夜から漕ぎ続けているからテンションがおかしくなっていることもあるとは思います。
 でも、自分の足でここまでやってきて、この景色を見ているということが、とても幸せなのだと思いました。
 どこもかしこもフォトジェニックで何枚も写真を撮ってしまいました。
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 最初の登りで写真を撮りまくり、ご満悦になったところで、残りの距離数を考え始めます。
 牡鹿半島ってあとどのくらい走るんだろうか?
 まあ、全体で300kmくらいだから残り20~30km位かな?
 なんて思っていましたが、牡鹿半島は全行程で60km。ほぼ全行程登りか下り。
 そのことを当時の僕は知らず、終わらないコバルトラインに一喜一憂していたわけです。
 GARMINのナビは、なぜか何もないまっすぐな道で右折を指示して、僕を谷底に落とそうとするし、地味に気が抜けません。
 ようやくコバルトラインの終点まで残り4kmとわかった時には心底安堵しました。
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 牡鹿半島の先っちょ付近にある御番所公園からの眺めもとても良いです。
 ただ、何度も言いますが、脚はほぼ限界です。
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 牡鹿地区?まで来ると、一気に町っぽい雰囲気になります。
 造成工事も行っているようです。
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 歩道では海藻を干していました。
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 そうして、コバルトラインを走り終え、沿岸よりの道に入ったわけですが、やっぱり登っては下っての道が続きます。
 走行距離210km。この辺りからペダルをこぐたびに奇声を発し始め、段々と人様にお見せできない様相を呈してきます。
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 「松島で海鮮丼を食べよう!」なんて思っていましたが、牡鹿半島を出たころには、時刻は既に16:00。
 松島の海鮮丼を出すお店は17:00閉店です。
 あと何kmかわからない僕は、「まあ、間に合うだろ!」と思っていたわけですが…
 松島までの距離は、実は35km。間に合うはずがない。
 そして、ここから強めの向かい風に煽られる。
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 ただ、ここで唐突に、ここまで苦しく・重かった脚がなぜか軽くなったように感じて、意識しなくてもフルオートでペダルが勝手にクルクル回るようになる絶好調タイムが訪れます。
 超ロングライドでたまにありますけど、なんなんですかね。あれ?
 共感できる人います?

 結局松島についたのは、18:00頃。
 全く間に合いませんでした。
 日が沈んでしばらくたってからでした。
 残念ながら、海鮮丼はお預けです。
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 その後も、おおむね絶好調でペダルを回し続け、塩釜を抜けて(塩釜の記憶がほぼございません)、仙台市にイン。
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 深夜から漕いでいるため、襲ってくる眠気に抗い、残りの距離数を数分置きに確認しながら、何とか仙台駅東口までやってきました。
 ホッと一息。
 これまでかいた汗が冷えて寒いです。
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 ホテルにチェックインする前に、なか卯で海鮮丼食べました。
 ノルマ達成。
 虚しくなんてないんだからね。
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 次の日は、仙台駅から輪行で盛岡まで戻ってきたわけです。
 折角の仙台なのに、朝飯が「なか卯」、昼飯が「びっくりドンキー」というツッコミどころ満載の食事でした。
 そんなこんなで僕の今回の旅は終了したわけです。

 今回のライドは、総じていうと「牡鹿半島最高かよ!」の一言に尽きると思います。
 また行きたいですが、盛岡から行くのはもうこりごりです。
 今度は、自動車にロード乗せて牡鹿半島だけ走って、石巻で海鮮丼食べて帰りたいですね。

 ではでは、また次回。

 【今回のリザルト】
 経過時間:16h17m
 移動時間:13h47m
 平均速度:21.3km/h
 獲得標高:2,568m
 消費カロリー:4,541kcal
 最低気温:-6℃(GARMIN内蔵温度計)

こんにちは、むひっぴです。

 突然ですが、この季節は道路に雪があるせいで泣く泣くライドを諦め、4月まで家でしょんぼりしている盛岡ローディーの皆様、朗報です。

 今、路面の雪、解けてますよ。(※1月15日現在)

 「んなこたぁ、知ってんだよ!寒くて乗れないんじゃ!アホか!」という声が聞こえたような気がしますが、チラリと過去に見た天気予報を思い出してみてください。
 最高気温5℃って日がありませんでしたか?

 2019年1月12~14日の成人式絡み3連休は、例年より積雪量が少なく平地の路面は乾いており、気温は全国的に暖かく盛岡でも最高気温が5℃となる予報でした。
 そして、0~5℃あれば装備次第ではロードバイクに乗れちゃうんです。
 日と道を選べば、1月なのにロードバイクに乗れちゃうんですよ!スゴイ!

 8~12月の期間をロードにほぼ乗らずに過ごした僕としては、何としてもロードに乗りたい。
 つまり、冬の居ぬ間に命の洗濯ということで、今回の仙台ロングライドを決意したわけです。
 出発前日の夕方に。風邪気味にも関わらず。

 急遽、宿を予約。着替えやらお泊りグッズは自転車に積載することにしました。
 ロングライドしたいときは、目的地に宿を取ってしまえば、出発せざるを得ないというライフハック。
 ロングライドしたいけど、出発直前に億劫になる人にはオススメです。
 その他必要なものを大体揃えて、就寝。


 朝、6:30出発。
 夜明け前のお空がとてもキレイ。
 明け方の街を走っていると、まるで自分のものになったようでワクワクが止まりません。
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 と同時に、寒さは肌を刺すように厳しいです。
 寒さで死なないだろうか。今更ながら不安が襲ってきます。
 出発時の気温は、天気予報では-5℃。道路標識は-6℃
 そして、GARMIN先生の実測気温は-9℃。後で見たけどドン引き。
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 胴体・脚は、この気温でも動いて熱を発してるから何とか耐えられました。
 手指・足指は、触った感覚が全くしません。そして、「寒い」が「痛い」に変わります。
 冬用手袋・シューズカバーだけではこの温度帯には太刀打ちできないことが判明しました。

 サイクルボトルの飲み物は、10分で凍結。
 早くもクライマックス。
 これは、盛岡の冬の最低気温を舐めてましたわ。
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 でも、30分位走って日が出たら、何とか指先が回復しました。
 お天道様ってありがてぇ。
 最初は5:30に出る予定だったけど、夜明け寸前に出て大正解です。
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 なお、今回のコースは、国道4号をひたすら南下。
 気を付けるところは、水沢バイパスを降りる場所だけ。
 ↓で左に入ってバイパスを降りましょう。
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 盛岡~石鳥谷の路面は車道・歩道共にドライです。
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 花巻~平泉辺りでは歩道・側道に雪に一部残雪ありました。
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 9:00を過ぎて、気温が0℃を上回れば、風は緩い追い風。青空が広がる、まさにロングライド日和といった風情でした。

 久しぶりのロングライドが楽しすぎて、休憩は2回と少なめでした。
 宮城に入る走行距離100km付近まで、何の苦も無くスイスイと進みます。
 南下すればするほど、気温が上がっていくので、身体が楽になっていく気さえしました。
 それ以降も、筋肉に疲れが来たため、ギアは1段軽くしましたが、特に問題なく距離を稼いでいきます。
 大体180kmで終わりなので気が楽です。前回は全体で360km位あって向かい風だったので。
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 気が付けばアッという間に仙台市にイン。
 市内も道路が広くて助かります。
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〇仙台駅には15:00頃に着。余裕のゴールイン。
 気持ちよかった~!
 こんな簡単に来れるなら、近い内にまた来たいな。
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 早々と宿チェックイン。
 今回の宿は、ゲストハウス欅(けやき)
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 レトロな民家を改築して作ったようなナイスな雰囲気のお宿。
 ドミトリー(相部屋)タイプと個室タイプがあり。
 お値段はとってもリーズナブル。僕はドミトリーで1泊2,800円で宿泊しました。
 建物はレトロだけど清潔だし、サービスは最低限だけど事足りてるし、個人的には大満足でした。
 唯一の心残りは、宿泊者同士の交流ができなかったことです。
 夕方から夜にかけて仙台に住んでいる弟と飲み歩いてしまったので、宿に帰ったのは日を跨いでからでした。
 お客さんには海外(アジア系)の人も多かったのが印象的でしたね。
 また、来ようと思います。


 そんなこんなで想像以上にあっさり行けてしまった仙台ロングライド。
 序盤に指先が痛寒かったことを除けば、かなり満足です。
 そこまで無理をせず行ける距離であり、冬は汗をあまりかかないのが魅力的です。
 盛岡から仙台に新幹線で観光に来たら、往復で13,000円近くかかるけど。
 新幹線代が帰りだけで、現地での移動が自転車でできることを考えれば、かなりお得感があります。
 今回はあまり観光できませんでしたが、次回は八木山動物園・うみの杜水族館にも行ってみたいです。


 あと、今回のコースは、ほぼ国道4号しか走っていません。
 ただ、話を聞いていると、国道4号は信号や車が多くて好きじゃないという人も多いようです。
 確かにそのような意見もわかりますが、個人的に、ロングライドにおいては、国道4号を走る利点も多いと思います。
 まず、側道がしっかりある、舗装が良い、ひたすらまっすぐ走ればいいのでコースを気にする必要がほぼない、補給地点(コンビニ・食事処など)が豊富、といったところは利点ではないでしょうか?
 盛岡在住のロングライダーにとって、意外と走っていないのが国道4号だと思います。
 宮城県も魅力的な道がいっぱいありそうですし、輪行バッグ片手に、国道4号経由でちょっと宮城まで足を伸ばすのもオツかもしれませんよ。

 冬の寒さ対策は、また別の記事が書けたらいいなと思います。
 ではでは。

 【今回のリザルト】
 走行距離:182km
 獲得標高:1,054m
 経過時間:8h31m
 平均時速:22km/h
 消費カロリー:2,900kcal
 最低気温:-9℃
 最高気温:8℃
 経費  :合計 約13,000円
      食費→3,500円(夕食含む)
      宿代→2,800円
      移動費→6,700円

こんにちは、むひっぴです。
 お久しぶりの更新です。自転車漕いではいましたが、特にネタもなかったので投稿が空いてしまいました。すまんこってす。

 さて、皆様は、このクソ暑い海の日連休をいかがお過ごしでしたか?
 「外に出たくない」「休みの日くらいゆっくりしたい」「こんな暑い日に運動とか阿呆の所業」という一般の声が漏れ聞こえてくる中で、雨続きにストレスを感じていたローディー達は、これまでの鬱憤を晴らすため、連日元気にお外を駆け回っている様子。
 全く業の深いことだなあと思います。

 そして、ローディーの中でも、とりわけ深い業を背負ったロングライダーである自分がやったのは、『美人を拝みに行く』ことでした。
 なぜなら、僕は噂を聞いたことがあるのです。「弘前には美人が多い」と。
 弘前には、なぜか青森県のそこかしこから美人が集まり、特に探さなくても美人にエンカウントするらしいと。
 そんなこんなで、ロングライダーとしての業だけではなく、男としての業も背負っている僕としては、行かざるを得なかったわけです。
 ただし、余りにもギラついた目で婦女子を舐めまわすような視線を向けては、紺色の制服を着た国家公務員に連行されてしまいますし、紳士的ではありません。
 まずは、仏の如く涅槃の境地まで至り、しかる後に美人を舐めまわすように鑑賞するのです。
 ということで、今回は弘前までライドをする途中で、八幡平・十和田湖を超え、肉体と精神をギリギリまで追い込むことで悟りを得て、その後に美人を見ようというわけです。
 我ながら業がふけぇ…

 ということで、今回のコースはこちらです。

 ルートラボのページで見るにはこちらをクリック!

 距離200km超え、獲得標高3,000m超えと修験道の僧が如きコース。これぞ修行走。

 とはいえ、最終的に行くのを決めたのは、出発前日の17:00。
 じゃらんで宿は取れたけど、着替えなどの荷物は送ることができませんでした。
 どこ行った計画性…

 とりあえず前日は、100km超え用のロングライド装備に加え、サドルバッグに着替えを積み込んで就寝。
 4:30に起きて5:00に出発するんだ!と意気込んでみたものの、仲良しのオフトゥンと別れがたく、起きたのは6:00。出発が6:30となりました。
 行けば楽しいのはわかっているはずなのに、なんで行く直前ってこんなに億劫なんだろうか。

 予報では天気は曇り。最高気温は31℃。大丈夫かな。
 盛岡の空はドンヨリな感じ。ちょっと心配。
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 いつもよりゆっくりと走ります。

 最近は、近場を速く走る練習ばかりになっていて、ロングライドの初心を忘れがちだったので、基本に立ち返るためです。
 しっかりとしたロングライド装備にしてきたため、荷物は御近所ライドより1.5kg~2.0kgほど積んでいます。着替えも積んでるので、いつもより重いのです。
 軽いギアから漕ぎ始めて、ジンワリと加速、運動エネルギーをできるだけ無駄にしない。無理な筋力を使わず、心拍を上げすぎない。
 基礎を思い出しながら、じっくりと進んでいきます。
 荷物が多くて加速は悪いけど、いったんスピードに乗った後の慣性は強く働く感じで、苦しくはありません。

 で、八幡平市につく頃には、青空が見え始め。一安心。
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 やってきた通算3回目のアスピーテ入り口。
 いつもは恐れおののいているけど、ロングライドの初心を思い出した自分に恐れはありません。
 迷わずインナーローを選択。
 10km/hを切るペースで確実に登ります。焦るから疲れるのだ。
 ロングライドに焦りは禁物なのです。
 もう既に悟りの境地が近い。なんて思っていました。
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 そして、スノーシェルターもインナーローでなんのその……と、思いきや。
 いや、暑い!シェルター内は暑すぎる!
 なんだこれ!サウナかよ!40℃超えてるぞこれ!
 突如遠のく悟りの境地。
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 そうして心が乱れたところで、ヘルメットのアゴヒモがほどける、仕事のトラブルの電話が舞い込むなど。更に心はささくれ立ち、脚は乱れ、ペースが乱れる。水が切れ、汗で視界を奪われる。
 「果たして、完走できるのでしょうか。今から家に帰ってクーラーの効いた部屋で寝っ転がったほうがよいのではないでしょうか?」と悪魔が脳内でささやきますが、「こちとら既にホテル予約しとるんじゃボケェ!いいからキリキリとペダル回せ!このスカタンが!」と天使が叫びます。どっちが悪魔かわかりません。
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 ともあれ、八幡平の自然は美しい。
 道端の観光客が応援してくれたりなんかもして。
 徐々に心が落ち着きを取り戻してきます。
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 そして県境にたどり着きました。
 いつものレストハウス。落ち着く。
 ここまで標高が上がるとさすがに涼しいもので、気温は15℃位でした。
 獲得標高的には、これで半分。
 ここで、60km地点だから距離はまだまだだけど。
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 そして、ここからは、八幡平秋田側の下り。
 ぎゅんぎゅん下ってまいります。
 前に玉川温泉に行ったときは、ここ↓を左に曲がったけれど、今回は右に曲がって北上します。
 標識に見える十和田湖の文字。ここからは知らない道なので、心が躍ります。
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 そして、もうちょっと下ったところで、思わぬ再開を果たします。
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 キャメルマート!
 お前、生きていたのか!!
 てっきりローソンに飲まれて完全消滅かと思われたキャメルマートとの思わぬ再開にしばし浸り、水分と食料を補給します。
 暑すぎて水をかぶったりして、既に2本のボトルが空だったので、とても助かりました。
 一緒に買ったファンタを一気飲み。
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 さて、補給で仕切り直したところで、ライド再開。
 とはいえ、しばらくは下り基調なので、気が楽です。
 概ね下り終わると、平野に突入。
 ほぼ無風でとても漕ぎやすい。サクサク距離を稼ぎます。
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 アッという間に、道の駅鹿角に到着。
 おなかすいたし何か食べるか、とチョイスしたのは『北限の桃ソフトクリーム』。
 ももの豊潤な香りが極上でした。
 まだ、ソイジョイ2本位あるし、とりあえずこれ以上食べなくていいかなと思って他はスルー。
 でも、記事を書いている今思うと、ここでもっとガッツリ食っておけばよかった。
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 さらに漕ぎ進めて行くと、頭が暑くなってきました。
 ボトルの水を飲むかと口に運ぶと、既にお湯と化しており、身体は冷えません。
 そんな中で、休憩できそうな場所があったので、水分補給でもしようと立ち寄りました。
 平塚果樹園です。
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 で、近くには『縁結びの湧き水』。
 弘前美人を見に行く今日の僕のために用意したかのような、おあつらえ向きの浄化スポットに心底驚きます。
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 御利益の欲しい僕は、ボトル内のお湯を捨てて、湧き出す冷たい水をボトルに汲み直し、頭から「ソォイ!」とかぶりました。
念のため2度かぶります。
 自前の塩を多分に含んだしょっぱい水が滴っていき、そもそも物理的に浄化されてる感覚を味わいました。何か浄化方法を間違っているかもしれない。
 体内からも浄化しようと、1.5リットルほど経口摂取して、乾いた体が医学的に救われていく感覚を味わいます。
 ご利益が得られるかわかりませんが、少なくともコンディションを立て直しました。

 あ、ちなみに平塚果樹園には、なまはげの人形もいました。
 僕は良い子なのでなまはげは怖くありませんが、遠巻きに写真を撮らせていただきました。僕は大変良い子なので、なまはげは怖くありませんので写真を撮っても大丈夫です。みなさまはお気をつけください。
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 それからも1%下りの道を漕ぎ続けていくと風景がちょっと変わってきます。
 段々と山に囲まれてきました。十和田湖はそう遠くないのかもしれません。
 視界に山が入ると安心するのは、岩手県民の気質なのだと思います。
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 そして、徐々に登り始める道。5%位です。
 そろそろ、相手も本気を出してくる頃でしょうか。
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 その後もチマチマと登っていくと、下の写真のところから一段と斜度がきつくなり8~10%に
 ユルユルペースとはいえ、やはり登りはキツイ。
 しかし、ロケーションはとても良いです。森の中で自分の息遣いしか聞こえない空間を体験するのは、ソロロングライドの醍醐味かもしれません。
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 要所要所で叫び声を上げながら、何とか登り切り『発荷峠』に到着。
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 チラリと除く十和田湖に感嘆の声を上げながら、湖際までダウンヒル。
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 あっという間に湖畔までやってきました。
 これまで稼いだ標高はどこにいったのだろうか。
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 湖畔には、観光客も多く、にぎわっています。
 後で、十和田湖に一日ユッタリしに来るのも悪くないと思いました。
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 で、ここまで走ってきて、カロリー不足に陥っていました。
 おなかはすいだけど、お店は少ないし、食堂もほぼありません。
 こんなところでハンガーノックでリタイアなんてしたくありません。
 とはいえ、この休屋地区の観光地ならレストランの一つ位あるだろうと高を括っていました。
 でも、ググって調べたレストランはランチ営業終了。食堂もランチ営業終了。
 あっちをウロウロ。こっちをウロウロ。
 やって来たのはカフェ。
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 そして、ありつけたのはアップルパイとアップルジュース。
 あまりカロリーなさそうだけど、このアップルパイ一つで次の峠が超えられるかが左右されると思い、大事に噛んで食べました。
 りんごの素朴な甘みと酸味が活きていて、とても美味しかったです。

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 そして、改めて漕ぎ出します。
 次の峠はルートラボを一目見ただけで、かなりの強敵とわかる御鼻部山。
 ゆっくりと登り始めます。
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 峠が一段階斜度のギアを上げてきたのが分かった瞬間。
 深呼吸を一つして気合を入れます。
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 そしてシェルターを出て更に上がる斜度。
 腹筋に力を入れてさらに気合を入れます。
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 そしてヤツはやってきた。
 もはや笑うしかないシェルター内のヘアピンカーブ。
 推定斜度25%。えげつねぇ…えげつねぇよ…

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 その後も、終わらぬ坂道。
 もう終わるだろうと思ったところからさらに続く坂道。
 そして、熊注意の看板。
 でも、徐々にそれらの情報を気にすることなく、心は坦々とペダルと坂道に向かっていきます。
 涅槃が近いのかもしれません。
 「疲れて余裕がなくなってきている」とも言います。
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 どんな坂道にも終わりがやってきます。
 ようやくやってきた坂道の終わり。
 そして、看板を見てツッコみます。お前、標高1,011mもあったのかよ!
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 ついでに展望台でパチリ。
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 そこから、御鼻部山のダウンヒルを終えて、「道の駅 虹の湖」に到着。
 アップルパイ一つで峠超えしたわけで、おなかはペコペコ。ようやくご飯にありつけるよ。
 と思ったら、レストランは営業時間終了。
 セブンティーンアイスの自販機さえ利用不能。
 どうしろっていうんだよ。
 とりあえず、再びファンタを一気飲みしてカロリーを摂取しました。
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 そこからも、下り基調の道をひた走ります。
 1~3%下りが続く道だから、簡単にスピードが乗って走りやすいです。
 気が付けば辺りは夕焼けになっていました。日が暮れるまでに着きたい。
 脚は到着まで持ちそうです。弘前駅に向かって走っていきます。
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 ただ、弘前駅に行く前に1か所だけ行きたい場所がありました。
 『田んぼアート』の発祥地である田舎館村に寄り道したかったんです。
 『田んぼアート』とは、田んぼに植える米の配置・色を計算して、一枚の絵を田んぼに描いた作品で、ここ田舎館村では毎年行われています。
 展望台を登った視点でちょうどパースが合うように作られているので、有料展望台に登る必要があります。
 が、時間切れ。「本日の観覧時間は終了しました」
 30分遅かった。
 ク~!見たかったな~!
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 横からならいつでも見れますよ。(ニッコリ)
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 田んぼアートのためだけに作られた田んぼアート駅。
 青森県人すげぇな。
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 田んぼアートは見れなかったけど、弘前駅まではあとわずか。
 夕日に照らされながら、無理ないペースで走っていきます。
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 そして、ようやくたどり着いた弘前駅!
 やった!ついた!おなか減った!
 なにせ、道中に摂ったカロリーは、ソイジョイ5本・ソフトクリーム1本・アップルパイ1片・ジュース3本。
推定摂取カロリー1,500kcalに対して、消費カロリーは4,000kcal弱だよ!大赤字だよ!
会社員ならクビだよ!

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 ということで、もう、食べることしか考えられない。
 ササっと自転車をたたんで、駅近くのホテルにチェックイン。
 シャワーを浴びて、着替えをしたら、美味しいものを追い求めてゾンビの如く街を歩きます。
 やってきたのはラーメン屋。
 当たり前のラーメンが美味い美味い。
 あっという間に食べ終わります。
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 で、食べ終わって気付きました。
 店員の子かなり可愛いな!おい!
 さっそく美人に会えました。
 ついチラチラ見てしまいます。
 心の浄化とはなんだったのでしょうか。

 会計を終えて、外に出ると、街を歩いてる女性がみんな可愛く見えます。
 すげぇな弘前…ゴールドラッシュかよ…と、意味わからないことをひとり呟きます。

 
そう思いつつ、次に向かったのは『すき屋』。
 食欲には勝てなかったよ…
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 たっぷり食べて、ホテルで寝て、弘前ナイトは終了です。
 結局、心の浄化はできなかったけど、弘前美人は見れたから、当初の目的は概ね果たしました!
 やった!楽しかった!


 【今回のリザルト】
 ・距離:222km
 ・獲得標高:3,252m
 ・経過時間:10時間17分
 ・平均速度:21.6km/h
 ・移動時間:9時間35分
 ・平均移動速度:23.1km/h
 ・消費カロリー:3,951kcal


 ちなみに、次の日は、朝にかるーく弘前観光して新幹線で帰ってきましたよ!
 レトロな感じを残したとても良い街でした。
 おじいちゃんが弘前城のお堀で釣りしてたり。
 また、来たいな。
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みなさま、こんにちは。むひっぴです。

 6月初めだというのに夏真っ盛りのような激しい日差しが照り付ける昨今、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
 ちなみに、僕がどうしていたかというと、前回記事で蔵王ヒルクライムが中止となったことを書きましたが、その後は、これまで継続して頑張っていたローラー練習を中止して、オフシーズンとばかりに自転車を漕がない日を2週間ばかり続けていました。
 そんな状態で久々に2時間ほどライドをしてみたのですが、結果は『①疲れてもいないのに筋肉が言うことを聞かない』『②心肺がすぐに限界を迎える』『③ヒザの腱が痛くなる』と散々なものでした。
 「継続は力なり」とはよく言ったものです。ローラーを続けていた時期は、徐々にに力が付くのを実感したものでしたが、努力をやめた途端に肉体はすさまじい速度で元の状態に戻ってしまったのです。
 みなさまも、練習で培ったものを失うのは一瞬です!お気をつけて!

 そんな貧脚ロングライダーが、久々にロングライドをしましたのでご報告。
 行先は再びの八幡平。
 今回の目的は、「八幡平ドラゴンアイリベンジ」「樹海ライン走破」「玉川温泉入浴」と盛りだくさんです。

 そんな今回のルートはこちら↓

 ルートラボのページで見るにはこちらをクリック


 きっかけは、家族が言った一言「玉川温泉に入りたい!」でした。
 八幡平には去年・今年で2回ほど登っているけど、実は秋田側に行ったことがない。
 理由は簡単で、自走で秋田側を下って登り直せる気がしないから。
 でも、玉川温泉まで車で行く人がいるならば、帰りは車で帰ればいいじゃない!
 温泉にも入れちゃう!
 なにそれ素敵!

 というわけで、モノはついでだ。時期的にちょうどいいし、前回のライドでは見れなかったドラゴンアイを見てこよう。樹海ラインも走ってしまえ!
 といった思考回路から、今回のライドが組み立てられました。

 そんなこんなで、やって来ました八幡平市は樹海ライン入り口(と思っていた場所)
 この信号を右に曲がればアスピーテライン。まっすぐ行けば樹海ラインなのです。
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 ここで、樹海ラインについて簡単な説明を少々いたします。
 樹海ラインは、松川温泉から八幡平頂上付近まで走っている道路です。
 アスピーテラインが北側から山頂まで登るのに対して、樹海ラインは南側から山頂に至ります。
 そして、「樹海」の名のとおり、アスピーテと比べて樹木に囲まれた部分が多いのが特徴なのです。


 さて、そんな樹海ラインを登り始めた僕が目にしたのは、先制パンチというにはヘビーすぎるヘアピンカーブ。
 下の写真ですが、斜度は外側で10%。内側は最大で15%あります。
 ハハッ、笑えるなぁ。ヒザはもっとガクガクと笑っているよ。大爆笑だよ。
 こんなんで登り切れるんだろうか。と一抹の不安が胸をよぎります。
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 ヘアピンを抜けても、ギアはインナーロー。
 勾配は6~8%が続きます。そろそろ休ませてくれないものだろうか。
 と思っていると看板が出現。松川温泉が近いのかなと近づいてみると。
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 「樹海ライン入り口まであと3km」
 ここが樹海ラインじゃないのかーい!
 そう、僕はこの時まで、松川温泉まで続く登り坂も樹海ラインと思っていたのですが、本当の樹海ラインは松川温泉から先なのです。
 ちなみに樹海ライン分岐から樹海ライン入り口まで約8kmもあります。
 みなさまもうっかり心を折られないようにお気をつけください。
 僕は、しっかり折られました。
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 まあ、気を取り直してじっくりと進み、とうとうやってきた樹海ライン入り口。
 ここを右に曲がれば樹海ラインです。とうとう真の樹海ラインにやって来ました。
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 そして、樹海ラインを登り始めて、すぐの看板に驚愕。
 「ホゲェー!!まだ18kmもあんのかよ!!」
 
アスピーテラインは登り始めから山頂付近まで18km。
 樹海ラインは入り口まで登り8km。樹海ライン自体が18km。合わせて26km。な、なんて長いんだ…
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 まあ、自分で登ると決めた道に文句を言っても始まらないので、覚悟を改め、またユルユルと登り始めます。
 樹海ラインは、その名の通りほぼ樹木の中を走っていくルートになっており、見通しはあまり利きません。
 ただ、要所要所では、樹木が隙間を開けて絶景を見せてくれます。
 下の写真もそんな絶景の一つ。
 裏から見た岩手山、そして縦走路を横目に目を奪われ、脚を止めて写真をパチパチ。
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 登り続けていくと、いきなり現れる下り坂10%の看板。
 ご褒美だと思って、これまでコツコツ貯めてきた位置エネルギーを使って疾走します。
 その後もチョコチョコ現れる下り坂に位置エネルギーを放出しつつ、登っていきます。
 登りがムチ、下りがアメだとすると、ムチ8・アメ2の割合です。
 一時の下りの気持ちよさに酔ってしまいそうになりますが、騙されてはいけません。
 下りがあるということは、標高が下がり、山頂まで沢山登らなければいけないのです。
 「マーラよ去れ」と呟きながら降りていきましょう。
 ちなみに、何度目かの下り坂、下の写真の地点からは標高差100m近くの長い下りとなります。
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 残り5kmを切ってくると、谷を挟んで向こう側にアスピーテラインが見える場所もあってテンションが上がります。
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 下の写真は頂上まで3km地点で撮ったのですが、思った以上に斜度がえげつないです。
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 残り1km。頑張れ自分。
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 そして、ようやっと山頂に到着。
 樹海ラインはキツカッタ!キツカッタヨ!!
 個人的には、アスピーテラインよりキツかったです。
 単純に距離も長いし、獲得標高がアスピーテよりあった感じがします。
 でも、アスピーテラインを何回か登った人には、一味違った景色を楽しめるのでオススメです。
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 ただ、今回のライドはここで終わりではないのです。
 秋田側に下って、玉川温泉まで行かないと。
 でも、ここから先は下り坂だけだから余裕でしょ!

 と、思っていた時期が僕にもありました…


 とりあえず、その話は置いておいて、ひとまず、秋田側に下っていきます。
 ちなみに、秋田側の道は10%近い下りが続くから、とんでもなく速度が乗りやすいです。
 速度が乗りすぎたところにヘアピンカーブがくるから、とても危ない。
 スピードの出しすぎには本当に注意したほうがいいと思います。
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 下りを楽しんでいると、あっという間に後生掛温泉までやってきました。
 でも、まだまだ下り坂は続きます。
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 そして、楽しかった下り坂のアスピーテライン秋田側も終了してしまいました。
 そこで玉川温泉まで残り何kmかなーと思い、グーグルマップを開くと残り12kmとのこと。
 その時は、「思ったより距離があるなぁ」位にしか思っていませんでした。

 しかし、進んでいくと、脚を使い果たした僕の前に現れたのは、またしても坂でした。
 今度は5%の登り坂です。
 これが樹海ラインを超えてきた脚に響きます。
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 「もうっ、僕にっ、残ったっ、脚はっ、ありませんっ…」とリズミカルに呟きながら、残った脚力を搾り出すように漕いでいきますが、サイコンの距離は一向に増えていきません。
 精神的には、長い戦いでした。
 いつ終わるともわからない登り坂は、約7km続きました。この最後の5%が、僕には永遠に感じられたのです。ツラかった…
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 そしてようやく、玉川温泉付近までやってきて、見通しが良いところで写真をパチリ。
 ちなみに、この写真を撮った後に自転車が転んで、バーエンドキャップが吹き飛び、丁度やってきた車のタイヤが粉砕していった訳ですが、僕は、粉砕されたバーエンドキャップを、ただただ、呆然と見つめるしかなかったわけでありました。
 買おうかな、バーエンドキャップ。
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 紆余曲折あり満身創痍で、やっとこさやってきた玉川温泉。
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 家族と合流して、車に自転車を積み込んで、着替えを受け取った後に、まずは大浴場に向かいます。
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 風呂場でキャップを脱ぐと、まるで元々そんな模様があったかのような汗塩のアートがそこにありました。
 すぐに洗濯した気持ちをグッとこらえて写真をパチリ。
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 ここで、玉川温泉の基礎知識をザックリと説明します。
 玉川温泉は、元硫黄鉱山の近くにあるエクストリームな温泉です。
 何がエクストリームかって、源泉が、なんとPH1.12。
 日本で一番強酸性の温泉となっております。
 理科室だったら、カギかかるところにしまわないといけないレベル。
 目に入ったら速やかに真水で洗い流さなければいけない。
 そんな劇薬が、98℃で毎分9,000リットル溢れてくるんだってさ。
 もはや笑うしかない。
 湧出量も日本一だそうです。
 ちなみに、温泉のすぐそばには硫黄ガスが発生する地帯があり、ガス溜まりに入ってしまうと死の危険がありますので、ご注意を。ここは地獄かよ。
 あまりのお湯の強さにガンが治るとまで言われており、全国から湯治客が押し寄せています。

 玉川温泉の入浴料は一人800円。ちょっとお安くないですが、入る価値は十分あると思います。
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 浴室の中は、木造となっており、レトロな雰囲気がGOODです。
 浴槽は、それぞれ「源泉(100%)」とか「源泉(50%)」とか書いています。
 戸愚呂弟みたい。
 シャワーで汗を流してから、源泉100%の浴槽に恐る恐る身体を沈めていきます。
 浴槽のお湯自体はぬるめです。
 指先から溶けていかないか心配でしたが、そんなことはありません。
 意外とだいじょぶだったり?
 ん?!ヒリヒリ?いや、痛い…いたたたた!!
 突如として、身体のある部分を、ライターの火を当てたような熱さに似た痛みが襲います。
 どこかっていうと、貴重な女性ライダーに配慮して言えば、股間部。
 配慮せずに、あけっぴろげに言ってしまえばケツ穴が焼かれるように痛かったです。尻毛に火が付いたかと思いました。

 強酸性のお湯は傷口は焼いて、強制的にカサブタにしてしまう効果があるようで、しばし、痛みに悶絶してました。
 みなさまも、ロングライド後の入浴はご注意願います。
 あと、お湯は酸っぱいです。

 温泉を出て少しゆっくりしてから、車で八幡平を登っていきます。
 あっという間に、見返峠までやって来ました。楽ちんだなー。
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 そして、ドラゴンアイを目指して、今年2度目の雪中行軍。
 SPD-SLのクリートがすべり止めになって実に歩きやすい。
 同じ目的で歩いている人が沢山いて、道は結構込み合っています。
 ハイヒールで雪道を登っている人もいました。
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 とうとう出会えたドラゴンアイ。
 青い空と、残雪と、紺碧の湖がなんだか不思議な空間を作っています。
 なるほど、これがドラゴンアイか。
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 ちょっと遅くなりましたが、「八幡平ドラゴンアイ」についても簡単にお話します。
 八幡平山頂付近の鏡沼。
 冬期間は雪に埋もれて見えなくなるわけですが、この沼の雪が解けていく過程で、原因はよくわかりませんが、上の写真のように浮島のように雪が残るのです。
 これが「竜の目のようだ」というわけでドラゴンアイと名付けられたのです。

 うん、しっかりこの目で見ることができて満足です。
 その後は、車で無事、盛岡まで戻ってくることができました。

 今回は、八幡平をばっちり満喫することができる良いコースだったと思います。
 ドラゴンアイは時期限定だけど、誰かに車で拾ってもらう必要があるけれど、今回のコースはオススメです。
 今度は、どこを走ろうかな。


 【今回のリザルト】
 ・距離  :65.6km
 ・獲得標高:2094m
 ・平均速度:20.4km
 ・消費カロリー:2,480kcal

みなさま、こんにちは

 最近、ゴールデンウィークも終わり、何となく気だるい中で日々をお過ごしではないでしょうか?
 また、ゴールデンウィーク後半に自転車乗るつもりだったのに天気良くなくて諦めてしまった方もいらっしゃるのでは?
 そんなあなたに、まだ間に合う時期限定のライドをご紹介しましょう。
 とは言っても、タイトルでお分かりだと思いますが、また八幡平です。

 昨年の夏に気軽な気持ちで登って、キレイだったけど大変な思いをした記事を以前書きましたが、前回を「八幡平の夏編」とするならば、今回は「八幡平の春編」です。

 春の八幡平で昔から有名なのが、開通間もないころにしか見られない「雪の回廊」です。
 厚く積もった雪を除雪車でかき分けてできるこの景色は、5月上旬しか見られないため、沢山の人が訪れるのです。
 ゴールデンウィーク中だと、車が多くて自転車で登るのが怖かったので、今回はゴールデンウィーク明け直後を狙って突撃してみました。
 また、私は最近知ったのですが、八幡平の山頂付近の鏡沼では、5月下旬から6月上旬頃に沼の雪が中心だけ溶け残って、「ドラゴンアイ」という神秘的な光景が見られるという話を聞き、そちらも見てみることにしました。


 さあ、休みは取ったし、準備万端。
 山頂の気温は昼でも5℃以下みたいだし、完全冬装備で臨みます。

 朝8:30に出発です。
 盛岡のお天気は良く、気持ちよいライドになりそうだと思う反面、岩手山にかかっている雲が気になる。
 山頂で雨とか濃霧とかにならないかちょっと不安に思いながら、自転車を走らせます。
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 うーん!気持ちいい風!
 でも向かい風!
 今回こそ登り始めで既に青息吐息なのはやめようと心に決めて、無理のないペースを守ります。

 滝沢の辺りの岩手山何度見てもメッチャきれいだな。
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 向かい風とはいえ、暑すぎない晴れの日。
 ペダルも気持ちよーく回ります。
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 八幡平付近まで来ると、ちょっと曇りモード。
 山頂は大丈夫だろうか?
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 よし、前回と比べると余裕を持って、入り口までやってこれた。
 そして、何度見ても、しょっぱなからヤベェ斜度でお迎えしてくれるもんだ。
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 まあ、とはいえ、今日は完全にポタリングの心持ちで挑んでいるので、最初っからインナーローにドーン!と落として、ユルユルと登っていきます。
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 登ってすぐに季節がやや過ぎた桜を発見。
 盛岡は2週間前に散っていたのに、入り口付近ですら、こんなに季節がずれるんだね。
 八幡平恐るべし。
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 大口を開けてクライマーを飲み込まんと待ち構えている斜度10%超えのスノーシェルター。
 とはいえ、今日はユルユル登りでいなして、脚にダメージを溜めないように気を付けながら進みます。
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 割とすんなりやってきた御在所の駐車場。
 この辺までくれば、アスピーテラインの半分近くまで登ったといって良いでしょう。
 一番斜度キツイところは終わっているし、残りは概ね景色の良いご褒美区間です。
 まだ、山肌には雪がしっかり残っています。
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 下を見下ろすと、下の町の風景が見えて、割とあっさり高いところまで来たことに驚きます。
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 御在所からそんなに離れていないところに、雪の壁が残っています。
 でも、時期を少し外しているし、思ったより雪も少ないので、雪の回廊見れない可能性もあると思い、この辺で雪の回廊風の写真を撮っておきました。
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 写真をパチパチ撮りながら走っていると、段々と生えている木の背丈も低くなってきて、高山らしくなってきました。
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 キレイな山肌。
 樹海ライン側の山肌ですが、まだ雪が多そうです。
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 景色を楽しんでいると、あっという間に茶臼岳付近までやってきてました。
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 茶臼岳を超えてくると、下に湖?沼?が見えますが、まだ凍ってますね。
 とはいえ、これはこれで結構幻想的。
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 山肌もとてもキレイです。
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 山頂付近まで来るとさすがに雪が深くなり、ようやく雪の回廊とめぐり逢えました。IMG_0629

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 平日だから、人も少ないし、とても撮影しやすい。
 山頂レストハウスに到着!
 雪景色と自転車という光景もなかなかオツなものですな。
 気温は3℃。さすが八幡平山頂といったところでしょう。
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 そして、ここから先は徒歩で鏡沼を目指します。
 雪で道はないけど、目印にポールが立っているので滅多なことでは迷わないと思います。
 とはいえ、ビンディングシューズで登るは中々大変なので、素直に長靴を借りることをオススメします。200円で借りられます。
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 なんとか鏡沼までやってきて撮った写真が下の通りです。
 これはこれでとってもきれいだけど、この後でもっとすごいことになるらしい。
 ドラゴンアイの写真を見たい人は、八幡平観光協会HPへGOだ!
 というわけで、残念ながらドラゴンアイ撮影には至りませんでした。
 でも、八幡平を自転車で登り切って、雪の中でサイクリングジャージを着て湖を見るという体験は、なんとも言い表せない非現実感・死後の世界感があって、とってもGOODでした。
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 帰りの景色もなんだか現実感がない光景で、山の凄みを感じます。
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 レストハウスまで下りてきてからの昼食は、食堂でカレーうどんをチョイス。
 これが、本当に美味しい。
 カレーの具には、半分ゼリーになる位にしっかり煮込まれた牛スジがガッツリと入っていて(山頂でどうやって煮込んだんだろうか?)、麺はうどんはうどんでも「稲庭うどん」(秋田県境だもんね)
 カレー自体の味がしっかりしている中で、トロットロ牛スジ、そしてスープに良く絡む稲庭うどんがかなり強力なコンビネーションを見せてくれました。
 これは、次来たらまたカレーうどんだな。と思わせる逸品です。
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 食べ終わって、帰りがけに食堂のおじさんから、「樹海ラインの方が雪の回廊残っているよ」との情報をもらいますが、前回のライドの思い出がよみがえり、そのままアスピーテラインを下ることに。
 「に、逃げてねぇし!下りの雪解け水でスリップしないための最低限の配慮だし!!」と心の中で敗者のコメントを述べながら下っていきます。
 前回は樹海ラインから下ったからわからなかったけど、アスピーテラインは下りの景色も最高でした。
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 下山してしまえば、残りは消化試合です。
 盛岡に帰るときは、全体的に下り基調なので、そんなに苦も無く帰ることができます。
 盛岡の家に帰ってきたら、16:00頃でした。
 帰ってゆっくりと身体のリカバリをやりました。
 優雅な一日。

 いや、でも本当にいいライドでした。
 もっと短いライドにしたければ、麓の八幡平ビジターセンターに車を停めてアスピーテラインからライド開始っていうのも悪くないですね。


 今回のライドのリザルトは以下のとおりです。

 経過時間:6時間27分
 走行時間:5時間39分
 走行距離:122.8km
 平均速度:21.7km/h
 獲得標高:1873m
 消費カロリー:2607kcal

みなさま、こんにちは

 時期的に春を迎えて街のあちこちでロード乗りを見かけることが多くなりましたね。
 ただ、まだ朝は身震いして手足が凍える位に寒い日もあり、ローディー同士で「最近、暖かいね!」と素直に言い切れない三寒四温の微妙な時期であります。

 そして、きっと東北のローディーは、みんな同じように天気予報に一喜一憂しているんだと思うと趣深いものがありますし、この「寒い」と「暖かい」の境界線上で他のローディーがどんな服装で走っているのか観察するのも非常に面白いです。

 そんなことを思いながら、僕は室内でローラー台を漕ぐだけの状態から、少しずつお外の世界に羽を伸ばすようになって来ました。シャバの空気うまいです。

 そんな折、僕は、大宮から盛岡までの500km級ロングライドをすることになりました。
 知り合いがやると聞いて、ご一緒させていただくことにした形です。
 ただ、キャノンボールに挑戦して何度もリタイアして500kmのえげつなさが身に染みている僕としては、さすがにぶっつけ本番とはなりません。
 やっぱり、4月上旬に300km位のライドを1回やっておきたい。
 そして、どうせならロケハンも兼ねて4号を片道ライドでドーンと南に行ってみたいと考え、盛岡から4号を南に300kmをなぞっていくと、福島県郡山市辺りだと判明。
 福島県にはこれまで行ったことないし、これは楽しそうだと、郡山市までのライドに決定したというわけです。
 そして、調べてみると、郡山の近くに日本三大桜の「三春滝桜」があり、4月7・8日の辺りは見ごろだというではないですか。
 
まだ岩手まで桜前線は来ていませんが、その週末は福島が真っただ中だし、これなら桜前線をお迎えに行けるじゃん!めっちゃ素敵じゃん!

 ということで、福島までのライドは「桜前線お迎えライド」と銘打つことにしたわけです。


 スケジュールは、金曜夜に早く寝て、土曜早朝に盛岡を出発、土曜夜に郡山市に到着して一泊、日曜朝に三春滝桜を見て新幹線で帰るというもの。
 事前に、宿を取り、宿に宅急便で着替えやら何やらを送って準備完了しました。


 さて、今回のルートは以下のとおりです。


 詳しくはこちらから

 特徴は特にありません。素直に4号線をひたすら南下するだけです
 ルート上で迷いやすい場所は非常に少ないです。
 水沢IC付近で4号線を見失わず、郡山市街地に入る場所さえ間違え無ければほぼ迷わないと思います。
 ただし、起伏はそれなりにありますので注意が必要ですね。


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 当日、4時に起きて5時に出発。
 天気予報では3時まで雨でそれ以降は降水確率40%とかいう微妙な予報でしたが、外に出てみると意外と天気は悪くありません。
 でも、寒い。GARMINは0℃だって言ってます。
 早く走って温まらなくては。

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 前日に自転車も整備したし、準備OK。
 出発です。

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 雨は降っていませんが、写真のように路面は濡れており、ところどころ水たまりも残っています。

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 早朝の4号は車も少なく、気持ちよく走れました。
 結構道幅もあって、路面の凸凹も少ないです。ただ、4月だからか路側帯には砂利が堆積していて、白線上を走らざるを得ない状態です。

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 世界遺産を擁する平泉では、セブンイレブンもダイハツも、景観を損なわないように看板の色をセピアに変えているようです。へ~。

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 一関まで来ると桜が開きかけていました。早いなぁ。

 ちなみに、岩手県抜けるまでの100kmは、休憩込みで平均25km/hと僕としてはオーバーペースで進んでおり、当時の僕は「冬にローラー練習したから快調だなあ!郡山に早く着きすぎたら、街に繰り出して名物料理が食べよう!」と、捕らぬ狸の皮算用&死亡フラグ建築を進めていたわけです。浅はかで、頭が成長していないことが、今になるとよくわかります。

 なお、宮城に入ったことを告げる看板は撮影しようと思っていたのですが、見逃してしまったのか撮影できませんでした。残念。


 そんな調子で進み続け、仙台市に入っていくと、渋滞が発生していて、ペースはゆっくりに。
街中の走行は神経を使うので、ジンワリと疲れが溜まっていきます。

 車の横をゆっくり走りながら横を見てみると、桜が概ね満開に。
 「あれ?桜前線もしかして追い抜いちゃう?」と不安になり、「なんならもう帰った方がいいのか?」と弱い自分が顔を出し始めます。
 脈絡なくライドをやめたくなるのは、大抵は疲労が原因であることが多いです。
 多分、岩手で調子に乗って飛ばしすぎたのが、既に効いていました。
 まあ、宿に荷物を送っているので、そう簡単に帰るわけにはいかないのが、ある意味良い歯止めになっています。

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 そんなこんなで、仙台市を抜けて、200km地点名取まで来ると、ここで爆風向かい風に遭遇。
 予報では、風速7〜8mとありましたが、体感的にもそんな感じです。
 右に左に正面にと殴られ続けます。
 しかも、道は1%の登り坂。
 心拍数170で漕いで時速15km…
 平地でインナー入れるのは浜松の向かい風以来です。
 アウターが吸った汗を向かい風がガッツリと冷やしていきます。
 ツライと思うたびにサイコンを見てしまうので、全然進んでる気がしません。
 こんなの、ロングライドじゃない!寒中パワートレーニングだ!と頭の中で叫びながらひたすらクランク回してました。

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 でも、桜は見事に咲いています。
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 柴田とか大河原とか桜まつりの看板が続きます。

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 どこまでも続くと思われた1~3%上り坂もとうとう終わり、福島県に到達。
 やったー!もうゴールって言っていいんじゃないかな!!
 そして向かい風は健在だー!たーのしー!(錯乱)

 そんなこんなで、爆風に揉まれ錯乱しながら走り続けること延べ3時間。
 ようやく日が落ちて、風が落ち着きます。
 助かった。

 3年前の自分だったら、絶対にこの向かい風でリタイアしてたなと、自分の成長を実感します。

 その後、長めの下り坂を経て福島市街地に入りますが、もはや写真撮る気力はなくスルーしてしまいました。
 そこから先は、暗闇の中でひたすらクランクを回す時間が過ぎ去ります。
 福島市街地を抜けてから郡山市まで約40km。
 それが、また長い。
 なぜかって、登り基調だから。
 3~4%の坂が続き、その後はアップダウンが続く地形でした。
 この辺はルートラボを詳しく見てみればわかるんじゃないかな!
 向かい風に削り取られた脚には地味にツライよ。

 そうやってなんとかたどり着いた郡山市!
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 ここで、ガッツポーズとともに「着いたーーー!!」と叫ぶ僕。いや、着いてないから。
 ここからは、4号を離れて郡山市街地へ。

 道中にあった「びっくりドンキー」や「すき屋」に入りたい気持ちをグッと抑えて、とりあえずゴール地点へと急ぐ。
 ドキドキしながら市街地を走ることしばし。
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 郡山駅に着いたーーー!!!
 きつかった!でもやった!!
 そして、寒くて死んじゃう!!とGARMINをみてみると2℃って言ってる。
 ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ どうりで寒いわけだ!!

 それから、松屋で「ありがてぇ・・・ありがてぇ・・・!!」ってつぶやきながら牛丼を食べ、ホテルにイン!そしてシャワーを浴びたら即寝オチ!
 そこまでの経過の写真は全部ございません!もはや写真を撮る余力がございませんでした!
 そんなこんなで郡山市までのライドはひと段落。

 一日目のリザルトはこんな感じでした。

 ・経過時間 14時間21分
 ・平均速度 22.2km/h
 ・走行時間 12時間32分
 ・平均移動速度 24.5km/h
 ・消費カロリー 5,477kcal
 ・休憩回数 9回

 
前半の貯金があったから、後半の休憩が多かったのにも関わらず、思ったより早いペースでゴールできました。これも自分の成長かと思うとややうれしいです。

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 そして、二日目。
 今日は花見ポタリングです。

 まず、起きると予想どおりに身体がバッキバキ。
 お風呂に入ってストレッチをしてからホテルを出発します。
 そしてまたも「松屋 郡山芳賀店」にて牛丼特盛を食べて始動。

 三春滝桜は郡山市街地から15km位離れているから、とりあえず、街中の桜から見ることに。
 それにしても、昨日から思っていたけど、福島県って桜がとても多いよね。
 なんでだろ。
 町の至るところに桜が植えてあって街中は春一色でした。

 まずは、麓山公園。
 池と桜の配置が素晴らしく。朝日が差し込んでとてもきれいでした。
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 そして、もう少し進んで、開成山公園。
 この公園は、五十鈴湖を中心として1,300本の桜が植えられている公園。
 桜並木を見て歩くのがとても楽しい。気持ちのいい場所でした。
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 さあ、ここまで見てきて真打の三春滝桜に向かうわけです。
 とはいえ、たった15kmでも本日の僕はひざガクガクの足プルプルなわけで、まったりとリハビリがてらライドをしました。
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 三春滝桜は、その名の通り三春町にあります。
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 繰り返されるアップダウンに昨日こさえたトラウマを刺激されつつ、ゆっくりと登っていきます。
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 滝桜を見に並ぶ渋滞が、朝の時点で2.5km。
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橋の上から見る景色も春らしくて良いですね。
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 三春滝桜の観覧料は300円でございます。
 今年は大雪で枝が折れたを聞いていたから、見れるか心配していたのですが、期待にしっかりと応える威容を見せてくれました。
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 うむ!大満足!!

 というわけで、その後は郡山駅からやまびこに乗って帰ってきたわけです。
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 お土産は、薄皮饅頭のサクラミルク味。
 桜の風味と甘じょっぱい餡とのマリアージュが楽しめる素晴らしい品でした。
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 今回の2日間を一言で表すなら、「やっぱりロングライドは楽しいな!!」ってことに尽きるっすね!!
 みんな、春からロングライドしようぜ!!

みなさま、こんにちは。

 ロードに乗りたい。切実に、そう思います。
 でも、岩手の冬は、ロード乗りにとっては冬眠期間。
 中には、雪上をマウンテンバイクでヒルクライムする超人の方々もいらっしゃいますが、さすがにロードに乗っている人は見かけません。
 僕も、家の中でシコシコとローラーを回す日々が続いていました。
 ローラーは「漕いだ」という達成感は若干あるのですが、外を自由に走り回っていたことを思い出してしまうと、時に虚しさを感じてしまいます。

 仕事の繁忙期を乗り越えて、時間に余裕ができたそんなある日、ふと沸き立った「自分にご褒美上げてもいいよな」と思いはポコポコと泡立って、あっという間に「いや、ご褒美上げなきゃダメだよ!」という考えに至った結果、行くことにしましたよ。東京に。

 さすがに東京なら雪が積もっているなんてことはないでしょう。氷点下になることも少ないし。
 気温は最低気温0℃と中々のものがありますが、まあ、装備で何とかなる範囲です。
 金銭・時間に余裕がある岩手ローディーのみなさまには、冬場に輪行で東京に行くことを強くおすすめします。なんせ走れる路面があるんだから。

 新幹線を降りた瞬間、吹いた風が暖かくてびっくりしました。10℃位だけど。
 盛岡の最低気温マイナス10℃を歯を食いしばって耐えていると東京の冬が春に感じられます。
 まあ、3日もすれば東京の気候に体がなじんでしまって「寒い寒い」連呼するようになるんですけどね。


 というわけで、今回走ったコースはこちら。

 詳しくはこちらから。

 今回のコースは、宿泊先の蒲田から箱根峠を登り切って小田原駅から輪行で帰ってくるというもの。
 東京大田区に住んでいたころによく走った思い出深いコースです。
 このコースには好きなところがいっぱいあります。
 ① 箱根に行って登り切ると走行距離が100kmとおおむね満足できる。
 ② 5:00頃に出発できれば13:00頃には小田原駅で電車に乗って、日が高い内に帰ってこれる。
 ③ 景色の変化が豊富で、街・海・山どの景色も楽しめる。

 ロードを買った当初に箱根峠登頂を目指した時は、小田原までの70kmで既に脚が売り切れ、箱根峠の序盤で心が折れて、脚ガックガクになりながら小田原に一泊したのが良い思い出です。


 それでは、今回の旅のダイジェストなど

①5:30頃の鶴見付近。
 日の出前の車が少ない時間帯に街中を走り抜けるのが気持ちいいんです。
 今回は久々のライドということもあり、脳汁溢れすぎて若干奇声を上げてましたし、ずっとニヤニヤしてました。
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②江ノ電
 早朝の街を走る江ノ電に出会えました。
 レトロな雰囲気を残しているのが良いんですよ。
 すごい近くを走るので否応なくテンション上がりますね。
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③江の島
 シラス丼食べたい。
 江の島でシラス丼食べるなら、魚見亭がロケーション最高ですよ!
 海が見えるテラス席があるのでウミネコがミャアミャア鳴いているのを見ながら美味しいシラス丼を食べるのが良いのです。
 今回はスケジュールの都合上いけませんが。
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④太平洋岸自転車道
 大磯付近にある自転車道。
 海沿いの景色を見ながらペダル漕ぐの気持ちいいですよね。
 この道は入り口が分かりづらくてローディーとはあんまりすれ違いませんが、とてもよい道なんですよ。大磯町HPでのご紹介
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⑤箱根峠
 箱根峠は、言わずと知れた「天下の険」。旧東海道の難所の一つです。
 「宿場町」の雰囲気が残っていて、とても居心地がよい感じです。登坂を考えなければ…
 箱根湯本駅からの距離は13kmほど。最大標高874mで、平均斜度は6%位。
 キッツイ坂です。 
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 箱根全山雪、すべり止め必要。とのこと。
 いやいや御冗談を。路面は走れるんでしょ?と高をくくる。
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 そして、奥の山が雪で真っ白になっているのを見て、やや戦慄する。
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 登るにつれて道の脇の雪が深くなっていく。
 気温も昼間で0℃。なかなかやるな箱根峠。
 そして、箱根湯本駅を超えてから他のローディーを一切見かけない。寒波の最中ですものね。

 いや、そもそも久々のロングライド&ヒルクライムで脚ガックガクです。

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 脚が売り切れているのに斜度10%が続く苦しみと、幻想的な雪風景を楽しめる幸せが同時に襲い掛かってくる感じ。
 そうだよな、箱根峠ってきつかったよな。と思い出す。
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 やって来ました最高地点。
 この辺は、さすがに路面凍結してます。
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 この後、大人しく小田原駅まで戻って輪行で帰りました。
 個人的には大満足です。

 岩手のみなさま。輪行はちょっと面倒かもしれないけど、東京に自転車持って旅行に行くの楽しいですよ!
 現地での輪行も混ぜ合わせれば、かなり変幻自在に走り回れますし。良いものです。
 自分へのご褒美に箱根に逃げるのはいかがでしょうか。

みなさま、こんにちは

 盛岡も、ここ最近は夏が息を潜め、既に昼でもなんだか涼しい秋の空気が漂っていますね。
 セミの替わりにスズムシが鳴いてます。
 盛岡ってお盆過ぎれば秋だったなぁってことを思いだしました。
 そう思うと、東京の夏って長いよなぁ。感覚的には9月まで夏っぽい空気がありますよ。
 でも、秋が来るのが早い替わりに、盛岡は11月には完全に冬が到来し、自転車に乗れなくなるので、今シーズンのライドチャンスはそう多く残っていません。寂しい・・・

 そんな昨今、土曜日に一緒に飲んでいた自転車友達が「とりあえず自転車乗りたい!どこかに行きたいんだ!」と荒ぶって、「でも、100kmを超えるライドはご勘弁!」という注文を受けて酔っ払いながらルートを引いた結果、予想外なことに、ほぼ100kmグラスなみなみ一杯のジャストサイズなコースが完成しました。
 これは走るしかないと日曜日にライドに出かけたわけです。

 今回のコースは↓こちら↓になります。

 詳しくは、こちらからどうぞ。
 獲得標高も739mとある程度歯ごたえがあるものの、100kmライドにしては控えめとなっています。
 また、雫石から花巻に抜ける県道234号線を通るルートとなっており、旧道風情が味わえる仕様になっています。


 さあ、そんなこんなで日曜日。
 「朝9時に出発しよう!」と約束をして、宴も早めに切り上げ午後9時に就寝した僕ですが、次に目を開けて携帯の時刻を見ると・・・9時24分。(; ̄Д ̄)!?
 普段の疲れが出てしまったのか12時間以上爆睡をかました挙句、まだ眠い。
 友達に「今起きた」とラインを入れると、「スタートする?」と返信が入りました。
 お前は菩薩かよ。
 脳内に「今日はもういいか」という言葉がよぎりましたが、「どんなに億劫な朝でもサドルにまたがれば楽しい」という経験則もあり、準備を始めます。

 そんなひと悶着もありながら、友達からは、男2人が盛岡を出発したわけですが、ライドを初めて数分で不安を感じる光景が。
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 実は、2日前に避難勧告が出るほどの大雨が降って、近所の川が濁流と化していました。
 今回のコースはヒルクライムも入っているし、やや心配になりますが、まあだめなら引き返せばよいのです。こんな日の景色を楽しめるのもオツなものだと気楽に行きます。

 起き抜けでぼんやりした頭とエンジンがかかっていない身体のままペダルを回して、御所湖を超え、県道1号線を南下していきます。
 だんだん、頭がはっきりしてきたところで、県道234号に入るはずだったのですが、想定していない風景が出てきて一気に目が覚めました。
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 曲がり角からしてすでにやや神秘性を帯びておりなんだか童話の世界に入っていくようなワクワク感を覚えます。
 
三十路男二人が、はしゃいで写真を撮りまくる姿をさらすほどにテンションが上がってしまいました。
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 とはいえ、こんなところでまごまごしているのもロングライダーの名折れ。
 潔く出発しましょう。
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 整備状況は良く、なのに非日常感が強い、とても良い道です。

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 自動車とすれ違う気配が全くねぇ(; ̄Д ̄)

 さらに道は山奥に進んでいきます。
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 ここまで上流にくると、大雨後でも川が澄んでいます。心がキレイになった気がしました。
 しかし、同時に道を流れる水の洗礼も浴びます。ココロサラサラ、ジャージドロドロ。
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 そんなこんなで走っていると、気が付いたら、傾斜は5%を超え始めます。
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 5%だと思っていたら、山は本性を現し、斜度をどんどん盛っていきます。
 あれよあれよという間に、サイコンは最大斜度13%を指す激坂に突入していました。
 獲得標高が低いと高をくくっていましたが、歯ごたえのある上り坂です。
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 なんとか登り終えて、頂上で記念写真をパチリ。
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 お前さんは、峰越峠っていう名前だったのね。

 撮影もそこそこにダウンヒルに突入。
 道の脇には落ち葉がたまっているので、風景を楽しみながらゆっくりと降りていきます。
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 下り基調の道をユルユルと。
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 しばらく下っていくと、県道12号線にぶつかるので、左折。
 2車線道路を走るのは久しぶりな気がしてきます。

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 こんな看板もありました。
 道を走っていてなぜか童話っぽさと感じる思ったら、宮沢賢治の舞台である「なめとこ山」の隣山を登っていたようです。
 あの道を走っているときに感じた不思議な感覚は、確かに宮沢賢治の小説を読んだときに感じるものに似ていました。
 以前、自動車で通った際には、ただ狭い道だと思っていましたが、自転車で走ると全く感じ方が違うのが面白いです。

 少し進んでいくと、豊沢湖が見えてきます。
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 先日の雨で水位が上がっており、ダムも豪快に放水をしていました。
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 さらに降りていき、鉛温泉までやって来ます。
 ようやく人いるところまできてホッとします。

 そして、ここにも宮沢賢治のトレードマークである山高帽とコートがありました。
 さすが花巻、宮沢賢治の出身地なだけあって、こんなところまで、アイテムをちりばめています。
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 そんなこんなしていると、時刻はすでにお昼を過ぎており、食事できるところを探していたのですが、国道12号線沿いにちょうど良い食事処がありました。
 お店の名前は「おがた」というそうです。IMG_9466
 店内の雰囲気は、一言でいえば、おばあちゃんちにいるような居心地です。
 実際、70代ほどと思われる上品な女性が一人で切り盛りしており、店内はゆったりとした優しい空気が流れています。
 注文したのは、「肉そば(おがた牛)」
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 味としては、牛とタマネギの出汁が十分に活かされたツユと、しっかりコシのあるそばにの相性がよく最高に美味でした。
 別のメニューも頼みたいので、僕はまた来ると思います。
 後は県道13号を無心でこいで帰りました。
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 終わってみると、岩手のポテンシャルの高さを見せつけられる良コース。
 まだまだ、岩手には素晴らしいコースがあるんだなぁと実感した次第です。

こんにちは

 前回、こちらの記事で、自分が過去に行ったキャノンボール挑戦にどのように挑んだのか書きましたが、今回は、その際に建てた作戦やキャノンボールのために集めた装備などをザックリとご紹介します。

【ルート】
 キャノンボールをするにあたって、先達様の研究を見て勉強したのですが、その研究の中で最も恩恵が大きいのがルート選びです。
 このルートは坂が急だよとか、バイパスはこうやって回避するんだよとか、この研究がなければ僕は名古屋にすら到達できませんでした。先達様ほんとに尊いです。
 他に大変詳しく説明しているブログもあるので、自分は簡単に説明いたします。

 まず、ルートを選ぶ際に一番大きな選択肢は、「東京スタート」か「大阪スタート」かだと思います。
 自分は最終的に出発前日に風向きを見てスタート地点を決めるという荒業を使ったのですが、もし、次にキャノンボールに挑戦するとなっても、同じ作戦で行くと思います。
 それだけ、風向きがキャノンボール成功率に与える影響が大きいのです。
 なお、自分は最終的に大阪スタートをしたことがないので、今回はの東京スタートのパターンを前提にお話しします。

 キャノンボールのルートはスタートとゴールが決まっているだけなので道の選び方は無数にありますが、最適なルートとなると数は限られますし、大きく分岐するのは主に2か所だけだと思います。
 自分の脚質や走る時間帯で選ぶルートが変わるので、よく考えて決めました。

 ① 箱根ルート or 御殿場ルート
  神奈川に入ってから静岡に抜けるまでのルート分岐です。
  箱根ルートも御殿場ルートも距離は大きく変わりませんが、箱根ルートは急勾配で登り距離が短く、御殿場ルートは勾配が緩いものの登り距離が長いという特徴があります。
  私は、最終的には箱根ルートの中でも比較的急勾配の旧箱根海道ルートを選択しました。
  自分は、どちらかというと登りが得意で、序盤の元気があるうちにタイムを稼ぎたかったからです。
 ② 伊賀ルート or 甲賀ルート
  三重県から大阪府に至るルート分岐です。
  もともとは、甲賀ルート(三重→京都→大阪)が基本で、北をぐるっと回るルートだったわけですが、先達様の研究の末に、伊賀ルート(三重→奈良→大阪)という一直線に山中を通るルートが開発されました。
  甲賀ルートは平坦が続く安全なルートで、伊賀ルートは距離が20kmほど短いものの登坂がある上に国道とは思えないほど道が荒れている区間があります。
  自分は、平坦がとにかく遅いので、リスクを負っても伊賀ルートを選ぶことでタイム短縮を狙いました。

 ちなみに実走したルートはおおむねこんな感じでした。



 


【スケジュール】
 スケジュールの立て方について、東京スタートではポイントがいくつかあります。
 ① 東京都内~横浜市内は車が多く速度が落ちるので、出来れば深夜に通り過ぎたい。
 ② 箱根超えは街灯が少ないので、明るい時間帯が良い。
 ③ 伊賀ルートを通るのも、街灯がないので明るい時間帯が良い。
 ④ 浜松を通過するのは、夕方を避けたほうが良い。(夕方に風が強くなる傾向があるため)

 自分は最終的に、①と④を重視しました。

 自分は最終的に深夜0時に東京をスタートすることにしました。
 本当は2:00位のスタートが理想的だったのですが、輪行で東京駅まで行くことを考えると、終電前に東京駅についておきたかったからです。
 このスケジュールのデメリットは、箱根旧道と伊賀超えの時に暗闇の中を走る必要があることです。
 基本的にどちらの道にも街灯がないので、危険度が高まります。
 メリットは、東京・神奈川を深夜に抜けるので渋滞に引っかからなくてよいことと、浜松を正午に抜けらるので、向かい風のリスクが減ることです。
 このあたりのメリット・デメリットの評価は、人によって評価が分かれるところだと思います。

 速度は、基本的に休憩込みで25km平均を目指していたのですが、休憩が多すぎて達成に到底届きませんでした。
 後半に眠すぎて1時間に1回休憩を入れていたのと、コンビニで寝落ちがあったのです。
 体力不足か、準備不足か。眠気対策が本当に重要です。

【装備】
 キャノンボールを完走・達成するために、集められた装備たちをご紹介します。
 キャノンボールのために買ったものだけを抜粋しています。この他に通常の走行に必要なものがありますが省いていますので悪しからず。
 なお、出来るだけ物を持たないほうが、有利であることは紛れもない事実です。持っていくものはできるだけ厳選しましょう。

 ① ライト:CATEYE VOLT400
 キャノンボールに必要なものはいろいろありますが、優先順位が一番高いのは夜に走るための装備です。特にライトのバッテリーが切れないことが大事。
 このライトの良いところは、バッテリーがカートリッジ式なので、替えバッテリーを持っておけば長距離の夜間走行にも耐えられるところです。
 現在、2本のバッテリーを常時携帯していますが、本当はもう1本バッテリーが欲しいところです。
 ② リアライト:CATEYE RAPID5
 近くでこの赤いライトを浴びると視力落ちるんじゃないかと思う位に光ります。
 点灯モードを選ぶことができ、このライトのうるさい位の点滅があると、後ろから車が来ても安心できます。
 ③輪行バッグ:mont-bell コンパクトリンコウバッグ
 いつでもリタイアできるように輪行バッグをの携行は欠かせません。
 この商品は、ボトルケージにちょうどはまる程にコンパクトなので、ダウンチューブに3つ目のボトルケージを設置してそこに収めています。
 これがあるのとないのとで、ライドの安全性がかなり変わると思っています。
 ④サイコン:GARMIN 820j
 これがあると安心感が段違い。ナビ付サイコンは本当に助かります。
 知らない道に神経を尖らせなくても目的地に行けるので、普段のライドから手放せなくなってます。
 ちなみに、常時画面表示するとバッテリーの減りが速いので、CATEYEのV3も同時に搭載して普段の速度・心拍はそっちを見ています。
 ⑤インナー:MILLETT ドライナミックメッシュ
 昼夜や標高差でライド中の気温の変化が大きく汗も大量にかくので、優秀なインナーを装備したところ、この商品は汗を皮膚に当てずに飛ばすので、すごく快適。
 ファイントラックもすごくいいけど、アウターを着て走っている時には、汗を飛ばしきれずに、寒くなることもしばしばあるので、僕はMILLETTの方が好きですね。

 まあ、こんなところです。
 反射ベストがこの中にないのですが、あったらとても良いと思います。
 R250の反射ベストの使い勝手が素晴らしいです。

【挑戦前の準備】
 挑戦前にちょっとした準備をするだけで、出発前や到着後の安心度合いや快適さが変わってくるものです。自分がキャノンボール走行時に行う準備をご説明します。
 ① スケジュールを立てる
  何時に家を出て、スタート地点までどうやって向かい、どこを何時に通過して、何時頃にゴールするつもりなのかを考えます。
 ① 宿をとる
  基本的には自転車を畳んで入れる位の広さがある部屋をとるか、フロントで預かってくれるところを選びます。
  ホテルによってはチェックイン可能時間に制限があるので、到着予定時間とにらめっこしてみましょう。
 ② 宿に荷物を送る(着替え・充電器など)
  これがとても大事です。
  ライドが終わってフラフラな時に、下水道のようなにおいのするウェアを着たまま眠ることがないように、宿に着替えを送りましょう。
  24時間以上たって充電が不安なスマホも充電できるよう充電器も持って行ったほうがいいですね。
  電話して聞いてみると、断る宿はほとんどありません。
 ③ 走る予定のルートをルートラボで一通り見る
  走行前日は、ルートをじっくりと見直します。僕はナビ付サイコンを使っていても必ずやります。
  曲がるところや登るところをしっかりと脳に焼き付けておくと、非常時に役に立つものです。
 ④ 出発前に食べる食事を買っておく
  僕は、走行前に、たらふく食べる派です。
  コンビニのパスタ・おにぎり・ゼリーなどでだいたい2,000kcalほど摂取します。
  なにせこれから10,000kcalほどのカロリーを使うわけなのですから、できるだけエネルギーを蓄えておきましょう。


 粗い説明で申し訳ありませんが、おおむねこういったことを考えてキャノンボールに挑みました。
 誰かのお役に立てれば光栄です。

こんにちは

 みなさまは「キャノンボール」というチャレンジをご存知でしょうか?
 ロングライダーなら割と知っているこのチャレンジ、もちろん一般の方は誰も知らないでしょう。

 【キャノンボールとは何か?】
 「国道1号線の起点である東京日本橋から、国道1号線の終点である大阪梅田まで、自転車で24時間以内に走ってやろうじゃないか」というチャレンジのことです。

 走行距離は、選ぶコースにもよりますが、おおむね560km前後と超長距離となり、道中にはヒルクライムの難所である箱根峠を擁する変態的なチャレンジです。
 正式な大会とかそういうものではないので、いつスタートしてもよいのですが、いくつかルールがあります。
 ① スタート地点は東京でも大阪でもよく、国道起点から終点まで走れば、コースは問わない。
 ② 24時間以内に到着する。
 ③ 単独で走る。
 ④ 交通ルールは絶対順守。

 で、実は、私は、過去にキャノンボールに挑戦したことがあるのです。
 (ちなみに、私は、完走はしてますが24時間以内には走り切れず、未達成です)
 せっかくなので、このブログにもその時の思い出やらをいろいろと書きたいと思います。

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 ↑東京日本橋にある国道1号線始点道標。

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 ↑大阪梅田にある国道1号線終点道標

【キャノンボールに至るまで】
 まず、「どこでキャノンボールを知って、なんでキャノンボールをしたくなったのか?」ということです。
 至極簡単な説明になってしまいますが、東京在住時にご近所チャリダーだった僕をロード沼に嵌め切った先輩がいまして、その方もキャノンボールに過去に挑戦していたのです。
 そこから「じゃあ、僕も」→「どうぞどうぞ」というわけで、2年間にわたる挑戦が始まったわけであります。

 挑戦開始当時、ロードにはまり切る前の僕は、東京→箱根間の100kmすら完走できず、次の日は激しい筋肉痛になってしまい「これは無理だな!」と思っていました。

 そこで目を付けたのが、「初級キャノンボール」という一歩手前の挑戦。
 これは、東京⇔大阪間が長すぎるので、挑戦初心者は東京→名古屋間(約370km)を走り切ろうぜ!24時間以内に!というものです。

 まずはここからやろうと思ったものの、それでも距離が半端ではないので、1年間は下積みをしていました。
 週末にロングライドをこなして少しづつ脳みそと身体を長距離ライドに慣らしていきます。
 (ただ、遊んでいただけとも言います)
 1年経つと、東京・箱根間の往復200km位ならギリギリこなせるようになっていました。


【初級キャノンボール 初回】
 箱根の登りを超えれば、あとは大きな登りがないから、これは名古屋いけるかもしれないと思い、2016年4月29日に挑戦しました。
 夜中2:30に出発。
 (なお、名古屋ライドは、大森の家から出発しています。)
 箱根を登りきった段階で結構体力に余裕があり、静岡のバイパス地獄(※1)に惑わされながらも浜松市付近までやってきたのですが、ご当地名物「遠州のからっ風」と呼ばれる鬼のような向かい風に出会い、平地で5km/hしか出ない上に膝を痛めてしまい、心が複雑骨折してしまったので、100kmを残して舞阪駅にてリタイアしました。
 名古屋駅付近に宿をとっていたので、輪行して宿泊し、次の日は観光して帰りました。
 日曜の名古屋城は面白かったなぁ。おもてなし武将隊がかっこよかったです。

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 ~リザルト~
 挑戦失敗(完走できず)
 距離:263km 経過時間:15h30m位

 ※1 静岡に入った後の国道1号線はバイパスが多く、その多くが自転車走行禁止区間となっているために、ルートが非常に複雑になり、ルート確認が甘い(僕のような)ローディーはあらぬ方向に進んでしまいタイムロスをすることもしばしばあることからこのように呼ばれています。


【初級キャノンボール 2回目】
 2回目に名古屋に挑戦したのは、約1か月後、2016年5月21日。奥多摩で鍛えての再挑戦でした。
 ちなみに、この日は19:00までの飲み会をノンアルコールでやり過ごし、20:30に寝て、22:30に起きてから0:30に出発しています。バカかよ。
 なお、0:30に家を出発して2分後にチューブがパンクし、CO2ボンベで替えのチューブに空気を入れるも、そちらも派手に破裂。深夜の住宅街に発砲音にもよく似た不穏な音が響き渡りました。
 (これにより僕はCO2ボンベを憎むようになりました。)
 リタイアしようと思って家に帰りましたが、考え直して初回にパンクしたチューブにパッチを当てて何とか出発。リスタートは1:30です。
 (このライドでも大森の家から出発していますので、正確には初級キャノボでもありません)
 そこからは、横浜・磯子間で雨に当たるも、他は特に問題なく順調に進み、15:00頃に宿敵浜松市と相まみえたわけですが、この日は幸運なことに追い風(※2)で前回の5km/hはなんだったのかと思うような速度での巡行が続きます。
 最後の方は、なんだかテンションがあがって、20km続けてダンシングしていたり、おかしなテンションになっていましたが、23:14に無事に名古屋駅に到着。初級キャノンボール達成しました。
 補給食として、コンビニで売っている羊羹を食べていたのですが、ライド中に累計11本もの羊羹を食べたために、口の中が甘ったるく、もうしばらくは見たくもないと思ったのが良い思い出です。
 また、長距離ライドをしていたせいか、楽に力が入れられる効率的なペダリングが身についたのもこのライドだったと思います。
 得るものが多かったです。
 ただし、ムチャなスケジュールで走ったせいで、その後1か月間は風邪が治りませんでした。

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 ~リザルト~
 達成(24時間以内の完走)
 距離:366km 経過時間:21h36m

 ※2 静岡県西部(特に浜松付近)は、1年のほとんどの期間、西から東に風が吹いており、これが逆になるのは、割と珍しい。先輩方の研究を見て、大阪出発の方が達成確率が高いとされるのは主にこの風が原因。

【キャノンボール(東京→大阪) 初回】
 初級キャノンボールを達成して以降、しばらくは連休が取れず、ロングライドには出かけるものの、キャノンボール挑戦は遠のいていました。次の年のゴールデンウィークに挑戦しようと考えていたのです。
 しかし、年を越して3月に入り、どうやら、次年度は職場が岩手になりそうだという話が入ったので、これは、ゴールデンウィークを待たずに挑戦しなきゃ一生達成できないと思い、まだ、箱根山頂には雪が残る2017年3月2日に東京→大阪に挑戦したわけです。
 そして、結局、初級キャノンボールの時と同じく、浜松の鬼向かい風に迎撃され、豊橋駅であえなくリタイアしました。
 で、大阪まで輪行して、次の日は観光するという比較的平和なライドで終わりました。

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 ~リザルト~
 失敗(完走できず)
 距離:304km 経過時間:16h46m


【キャノンボール(東京→大阪) 2回目】
 職場での引継ぎ資料やら、一人でやる引っ越し準備やらでバタバタしながらも、僕は、まだしぶとくキャノンボール達成をできないか考えており、気合で3月最後の金曜日に休みを取ることに成功しました。3連休を最大限に活用して、スケジュールを組みます。
 出発は2017年3月25日。
 今回は、絶対に完走まで持ち込みたいと思っていたので、出発前日まで東京発か大阪発か決めないという作戦にしました。
 出発前日に風予報を見ると、浜松付近は珍しく東から西に吹く予報になっていたため、東京発に決定。
 さすがに前日では宿が全く取れなかったので、着替えなどの送り先は郵便局留めにして、サウナで一晩を明かすことにしました。
 3週間前の失敗は、今日成功するための布石だったのだ!と強がって出発します。
 東京日本橋の出発時間は、0:00とキリが良いところで出発。
 2時間に一度補給を入れながら、走っていきます。
 箱根はマイナス5度という極寒だったけど、何とかクリア。
 静岡のバイパス地獄もGARMIN820jのナビで楽々とクリア。
 浜松では予報のとおりに追い風でスイスイ。
 これまでの挑戦で積み重ねてきたものを十分に活かして進んでいきます。
 しかし、名古屋を超えて、鈴鹿峠まで来たところで睡魔が猛威を振るい激しく落車。
 ケガはなかったものの、睡魔は収まらず、コンビニで仮眠を10分とって出発。
 それ以降も、真夜中の歩道に自分を応援する人垣が見えるなど、謎の幻覚を見ながら走ります。
 名古屋から先はこれまで走ったことがなかったのですが、タイムを短縮したいがために、真夜中の伊賀ルートを選択しました。
 街灯が一切ない道を犬や鹿の集会を横目に走ります。熊が出なくて本当によかった。
 そして噂通り、道はガッタガタでした。
 伊賀を登り切った後の記憶は本当に曖昧です。残り30kmからが意外と長く感じたような気がします。
 大阪の道路元標が見つからず焦って探しまして、写真を撮った時刻が3:20でした。
 結果的に、僕は、東京→大阪のキャノンボールを完走できましたが、達成とはなりませんでした。
 そこから郵便局で荷物を受け取り、サウナの仮眠室で始発まで眠り、お土産に赤福を買って食べながら、フラフラと東京に帰っていったわけです。

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 ~リザルト~
 未達成(ただし完走)
 距離:520km 時間:27h21m


【挑戦してみて思ったこと】
 まず、最初に言いたいことは、キャノンボール挑戦がとても楽しいということです。
 向かい風に悪態をつくことや、ライド終盤に幻覚を見ることはしばしばありましたが、基本的に東京→大阪のルートは景色の変化に富み、街から街へ走っていく冒険感が堪りません。
 そうでなければ、完走はできなかったと思います。
 もっと速くいろんな景色が見たいと思うことは、ロングライドの基本ですので、キャノンボーラーはある意味、自転車乗りのロマンを体現しているとも言えます。

 また、僕のような素人ライダーでも、ちゃんと計画して、しっかりと準備をすれば、思った以上の成果を残せるということがわかったのも収穫でした。(残念ながら、キャノンボール達成にはいたりませんでしたが)
 僕は、運動神経が人並み外れてよいわけでもないし、自転車競技の部活をしていたこともありません。
 でも、東京→大阪の完走は行うことができました。それって家にこもっていたら絶対に見えない世界だったと思います。
 ロード買ってよかった。
 現在、職場が岩手に移り、気軽にキャノンボール挑戦ができなくなりましたが、機会を見つけて、また挑戦したいと考えています。
 ただ、その前に、岩手でもいろいろと達成したいことがあるので、そっちが優先です。


 今回はライドの思い出を書きましたが、ライドの装備やら、準備やら、補給やらの話については、こちらの記事で書いています。

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