こんにちは、むひっぴです。
 お久しぶりの更新です。自転車漕いではいましたが、特にネタもなかったので投稿が空いてしまいました。すまんこってす。

 さて、皆様は、このクソ暑い海の日連休をいかがお過ごしでしたか?
 「外に出たくない」「休みの日くらいゆっくりしたい」「こんな暑い日に運動とか阿呆の所業」という一般の声が漏れ聞こえてくる中で、雨続きにストレスを感じていたローディー達は、これまでの鬱憤を晴らすため、連日元気にお外を駆け回っている様子。
 全く業の深いことだなあと思います。

 そして、ローディーの中でも、とりわけ深い業を背負ったロングライダーである自分がやったのは、『美人を拝みに行く』ことでした。
 なぜなら、僕は噂を聞いたことがあるのです。「弘前には美人が多い」と。
 弘前には、なぜか青森県のそこかしこから美人が集まり、特に探さなくても美人にエンカウントするらしいと。
 そんなこんなで、ロングライダーとしての業だけではなく、男としての業も背負っている僕としては、行かざるを得なかったわけです。
 ただし、余りにもギラついた目で婦女子を舐めまわすような視線を向けては、紺色の制服を着た国家公務員に連行されてしまいますし、紳士的ではありません。
 まずは、仏の如く涅槃の境地まで至り、しかる後に美人を舐めまわすように鑑賞するのです。
 ということで、今回は弘前までライドをする途中で、八幡平・十和田湖を超え、肉体と精神をギリギリまで追い込むことで悟りを得て、その後に美人を見ようというわけです。
 我ながら業がふけぇ…

 ということで、今回のコースはこちらです。

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 距離200km超え、獲得標高3,000m超えと修験道の僧が如きコース。これぞ修行走。

 とはいえ、最終的に行くのを決めたのは、出発前日の17:00。
 じゃらんで宿は取れたけど、着替えなどの荷物は送ることができませんでした。
 どこ行った計画性…

 とりあえず前日は、100km超え用のロングライド装備に加え、サドルバッグに着替えを積み込んで就寝。
 4:30に起きて5:00に出発するんだ!と意気込んでみたものの、仲良しのオフトゥンと別れがたく、起きたのは6:00。出発が6:30となりました。
 行けば楽しいのはわかっているはずなのに、なんで行く直前ってこんなに億劫なんだろうか。

 予報では天気は曇り。最高気温は31℃。大丈夫かな。
 盛岡の空はドンヨリな感じ。ちょっと心配。
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 いつもよりゆっくりと走ります。

 最近は、近場を速く走る練習ばかりになっていて、ロングライドの初心を忘れがちだったので、基本に立ち返るためです。
 しっかりとしたロングライド装備にしてきたため、荷物は御近所ライドより1.5kg~2.0kgほど積んでいます。着替えも積んでるので、いつもより重いのです。
 軽いギアから漕ぎ始めて、ジンワリと加速、運動エネルギーをできるだけ無駄にしない。無理な筋力を使わず、心拍を上げすぎない。
 基礎を思い出しながら、じっくりと進んでいきます。
 荷物が多くて加速は悪いけど、いったんスピードに乗った後の慣性は強く働く感じで、苦しくはありません。

 で、八幡平市につく頃には、青空が見え始め。一安心。
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 やってきた通算3回目のアスピーテ入り口。
 いつもは恐れおののいているけど、ロングライドの初心を思い出した自分に恐れはありません。
 迷わずインナーローを選択。
 10km/hを切るペースで確実に登ります。焦るから疲れるのだ。
 ロングライドに焦りは禁物なのです。
 もう既に悟りの境地が近い。なんて思っていました。
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 そして、スノーシェルターもインナーローでなんのその……と、思いきや。
 いや、暑い!シェルター内は暑すぎる!
 なんだこれ!サウナかよ!40℃超えてるぞこれ!
 突如遠のく悟りの境地。
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 そうして心が乱れたところで、ヘルメットのアゴヒモがほどける、仕事のトラブルの電話が舞い込むなど。更に心はささくれ立ち、脚は乱れ、ペースが乱れる。水が切れ、汗で視界を奪われる。
 「果たして、完走できるのでしょうか。今から家に帰ってクーラーの効いた部屋で寝っ転がったほうがよいのではないでしょうか?」と悪魔が脳内でささやきますが、「こちとら既にホテル予約しとるんじゃボケェ!いいからキリキリとペダル回せ!このスカタンが!」と天使が叫びます。どっちが悪魔かわかりません。
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 ともあれ、八幡平の自然は美しい。
 道端の観光客が応援してくれたりなんかもして。
 徐々に心が落ち着きを取り戻してきます。
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 そして県境にたどり着きました。
 いつものレストハウス。落ち着く。
 ここまで標高が上がるとさすがに涼しいもので、気温は15℃位でした。
 獲得標高的には、これで半分。
 ここで、60km地点だから距離はまだまだだけど。
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 そして、ここからは、八幡平秋田側の下り。
 ぎゅんぎゅん下ってまいります。
 前に玉川温泉に行ったときは、ここ↓を左に曲がったけれど、今回は右に曲がって北上します。
 標識に見える十和田湖の文字。ここからは知らない道なので、心が躍ります。
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 そして、もうちょっと下ったところで、思わぬ再開を果たします。
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 キャメルマート!
 お前、生きていたのか!!
 てっきりローソンに飲まれて完全消滅かと思われたキャメルマートとの思わぬ再開にしばし浸り、水分と食料を補給します。
 暑すぎて水をかぶったりして、既に2本のボトルが空だったので、とても助かりました。
 一緒に買ったファンタを一気飲み。
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 さて、補給で仕切り直したところで、ライド再開。
 とはいえ、しばらくは下り基調なので、気が楽です。
 概ね下り終わると、平野に突入。
 ほぼ無風でとても漕ぎやすい。サクサク距離を稼ぎます。
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 アッという間に、道の駅鹿角に到着。
 おなかすいたし何か食べるか、とチョイスしたのは『北限の桃ソフトクリーム』。
 ももの豊潤な香りが極上でした。
 まだ、ソイジョイ2本位あるし、とりあえずこれ以上食べなくていいかなと思って他はスルー。
 でも、記事を書いている今思うと、ここでもっとガッツリ食っておけばよかった。
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 さらに漕ぎ進めて行くと、頭が暑くなってきました。
 ボトルの水を飲むかと口に運ぶと、既にお湯と化しており、身体は冷えません。
 そんな中で、休憩できそうな場所があったので、水分補給でもしようと立ち寄りました。
 平塚果樹園です。
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 で、近くには『縁結びの湧き水』。
 弘前美人を見に行く今日の僕のために用意したかのような、おあつらえ向きの浄化スポットに心底驚きます。
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 御利益の欲しい僕は、ボトル内のお湯を捨てて、湧き出す冷たい水をボトルに汲み直し、頭から「ソォイ!」とかぶりました。
念のため2度かぶります。
 自前の塩を多分に含んだしょっぱい水が滴っていき、そもそも物理的に浄化されてる感覚を味わいました。何か浄化方法を間違っているかもしれない。
 体内からも浄化しようと、1.5リットルほど経口摂取して、乾いた体が医学的に救われていく感覚を味わいます。
 ご利益が得られるかわかりませんが、少なくともコンディションを立て直しました。

 あ、ちなみに平塚果樹園には、なまはげの人形もいました。
 僕は良い子なのでなまはげは怖くありませんが、遠巻きに写真を撮らせていただきました。僕は大変良い子なので、なまはげは怖くありませんので写真を撮っても大丈夫です。みなさまはお気をつけください。
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 それからも1%下りの道を漕ぎ続けていくと風景がちょっと変わってきます。
 段々と山に囲まれてきました。十和田湖はそう遠くないのかもしれません。
 視界に山が入ると安心するのは、岩手県民の気質なのだと思います。
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 そして、徐々に登り始める道。5%位です。
 そろそろ、相手も本気を出してくる頃でしょうか。
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 その後もチマチマと登っていくと、下の写真のところから一段と斜度がきつくなり8~10%に
 ユルユルペースとはいえ、やはり登りはキツイ。
 しかし、ロケーションはとても良いです。森の中で自分の息遣いしか聞こえない空間を体験するのは、ソロロングライドの醍醐味かもしれません。
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 要所要所で叫び声を上げながら、何とか登り切り『発荷峠』に到着。
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 チラリと除く十和田湖に感嘆の声を上げながら、湖際までダウンヒル。
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 あっという間に湖畔までやってきました。
 これまで稼いだ標高はどこにいったのだろうか。
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 湖畔には、観光客も多く、にぎわっています。
 後で、十和田湖に一日ユッタリしに来るのも悪くないと思いました。
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 で、ここまで走ってきて、カロリー不足に陥っていました。
 おなかはすいだけど、お店は少ないし、食堂もほぼありません。
 こんなところでハンガーノックでリタイアなんてしたくありません。
 とはいえ、この休屋地区の観光地ならレストランの一つ位あるだろうと高を括っていました。
 でも、ググって調べたレストランはランチ営業終了。食堂もランチ営業終了。
 あっちをウロウロ。こっちをウロウロ。
 やって来たのはカフェ。
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 そして、ありつけたのはアップルパイとアップルジュース。
 あまりカロリーなさそうだけど、このアップルパイ一つで次の峠が超えられるかが左右されると思い、大事に噛んで食べました。
 りんごの素朴な甘みと酸味が活きていて、とても美味しかったです。

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 そして、改めて漕ぎ出します。
 次の峠はルートラボを一目見ただけで、かなりの強敵とわかる御鼻部山。
 ゆっくりと登り始めます。
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 峠が一段階斜度のギアを上げてきたのが分かった瞬間。
 深呼吸を一つして気合を入れます。
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 そしてシェルターを出て更に上がる斜度。
 腹筋に力を入れてさらに気合を入れます。
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 そしてヤツはやってきた。
 もはや笑うしかないシェルター内のヘアピンカーブ。
 推定斜度25%。えげつねぇ…えげつねぇよ…

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 その後も、終わらぬ坂道。
 もう終わるだろうと思ったところからさらに続く坂道。
 そして、熊注意の看板。
 でも、徐々にそれらの情報を気にすることなく、心は坦々とペダルと坂道に向かっていきます。
 涅槃が近いのかもしれません。
 「疲れて余裕がなくなってきている」とも言います。
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 どんな坂道にも終わりがやってきます。
 ようやくやってきた坂道の終わり。
 そして、看板を見てツッコみます。お前、標高1,011mもあったのかよ!
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 ついでに展望台でパチリ。
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 そこから、御鼻部山のダウンヒルを終えて、「道の駅 虹の湖」に到着。
 アップルパイ一つで峠超えしたわけで、おなかはペコペコ。ようやくご飯にありつけるよ。
 と思ったら、レストランは営業時間終了。
 セブンティーンアイスの自販機さえ利用不能。
 どうしろっていうんだよ。
 とりあえず、再びファンタを一気飲みしてカロリーを摂取しました。
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 そこからも、下り基調の道をひた走ります。
 1~3%下りが続く道だから、簡単にスピードが乗って走りやすいです。
 気が付けば辺りは夕焼けになっていました。日が暮れるまでに着きたい。
 脚は到着まで持ちそうです。弘前駅に向かって走っていきます。
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 ただ、弘前駅に行く前に1か所だけ行きたい場所がありました。
 『田んぼアート』の発祥地である田舎館村に寄り道したかったんです。
 『田んぼアート』とは、田んぼに植える米の配置・色を計算して、一枚の絵を田んぼに描いた作品で、ここ田舎館村では毎年行われています。
 展望台を登った視点でちょうどパースが合うように作られているので、有料展望台に登る必要があります。
 が、時間切れ。「本日の観覧時間は終了しました」
 30分遅かった。
 ク~!見たかったな~!
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 横からならいつでも見れますよ。(ニッコリ)
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 田んぼアートのためだけに作られた田んぼアート駅。
 青森県人すげぇな。
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 田んぼアートは見れなかったけど、弘前駅まではあとわずか。
 夕日に照らされながら、無理ないペースで走っていきます。
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 そして、ようやくたどり着いた弘前駅!
 やった!ついた!おなか減った!
 なにせ、道中に摂ったカロリーは、ソイジョイ5本・ソフトクリーム1本・アップルパイ1片・ジュース3本。
推定摂取カロリー1,500kcalに対して、消費カロリーは4,000kcal弱だよ!大赤字だよ!
会社員ならクビだよ!

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 ということで、もう、食べることしか考えられない。
 ササっと自転車をたたんで、駅近くのホテルにチェックイン。
 シャワーを浴びて、着替えをしたら、美味しいものを追い求めてゾンビの如く街を歩きます。
 やってきたのはラーメン屋。
 当たり前のラーメンが美味い美味い。
 あっという間に食べ終わります。
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 で、食べ終わって気付きました。
 店員の子かなり可愛いな!おい!
 さっそく美人に会えました。
 ついチラチラ見てしまいます。
 心の浄化とはなんだったのでしょうか。

 会計を終えて、外に出ると、街を歩いてる女性がみんな可愛く見えます。
 すげぇな弘前…ゴールドラッシュかよ…と、意味わからないことをひとり呟きます。

 
そう思いつつ、次に向かったのは『すき屋』。
 食欲には勝てなかったよ…
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 たっぷり食べて、ホテルで寝て、弘前ナイトは終了です。
 結局、心の浄化はできなかったけど、弘前美人は見れたから、当初の目的は概ね果たしました!
 やった!楽しかった!


 【今回のリザルト】
 ・距離:222km
 ・獲得標高:3,252m
 ・経過時間:10時間17分
 ・平均速度:21.6km/h
 ・移動時間:9時間35分
 ・平均移動速度:23.1km/h
 ・消費カロリー:3,951kcal


 ちなみに、次の日は、朝にかるーく弘前観光して新幹線で帰ってきましたよ!
 レトロな感じを残したとても良い街でした。
 おじいちゃんが弘前城のお堀で釣りしてたり。
 また、来たいな。
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