みなさま、ご無沙汰していました。むひっぴです。

 前回の投稿から早2か月、光陰矢の如しとは良く言ったものです。
 しばらく間をあけてしまい申し訳ありませんが、生きています。死んではいません。
 投稿もせずに何をしていたのかというと、風邪を引いたり、職場変わったり、部屋に籠ってローラー漕いだり、キャンプしたりと色々ありまして、総じてバタバタしていました。

 まあ、言い訳はこのくらいにして、今回の内容です。
 タイトルの通りブルべに出ました。

 「ブルべって何?」というと、以下のとおり。
゛ブルべ(仏:Brevets)とは、タイムや順位にこだわらず、制限時間内での完走を認定するロングライドのサイクリングイベント。管轄する組織やルールによって様々なものがあり「ブルべ」とはフランス語で「認定」を意味する。イギリスやオーストラリアでは、オダックス(Audax)という呼称も用いられる。゛(wikipediaより転載)
 

 大分前から、出場したいと思いながらダラダラと申し込みもせずにいたのですが、今年はライド仲間からの後押しもあり、なんとか申し込みをポチることに成功しました。
 とはいえ、初めての参加であんまりキツイ距離・コースはご勘弁ということで、申し込んだのはランドヌール宮城が開催する『BMR420リアルフラット200』です。
 ブルべとしてはほぼ最短の200km。
 長距離走ればどこかは山という日本にあって獲得標高は1020m。
 タイトル通りリアルフラット。
 キャッチフレーズが『フラットを体感せよ』エモい。
 説明文には、『ブルべ初心者にもオススメですが、楽なブルべというものはないのも本当です。』とあります。
 正直に言えば、出走するまでこの説明文を特に気にせず、200kmのブルべを、僕は舐めていました。
 これまで200km位の距離は走り慣れてるし、まあ余裕だろうと。
 走った後だから言えますが、200kmには200kmのキツさがあるのです。
 つまるところ、今回のブルべで僕は地獄を見たのです。

 今回のコースは以下のとおりです。

 ルートラボで見たい方はこちらからどうぞ。


 出走前日の夜、僕は1泊2日の東京出張から帰って来た。
 盛岡の我が家に帰って来て、ふと時計を見ると、21:00。
 出走開始まで残り9時間。
 出走場所まで車で2時間かかるので、家を出発するまであと7時間。
 出張帰りにはかなりハードな日程だ。
 というか、出張自体もそこそこハードだった。主に飲みすぎで。
 疲れた身体に鞭を打って、必要そうな荷物をサクッとバックパックに突っ込み、就寝。
 朝起きて、朝食をつまみ、急いで用品を車に詰め込み、3:00に家を出る。
 月がキレイな夜だった。
 運転中に眠すぎて、自分にいくらビンタをしても目を開けられなくなったので、30分仮眠をとる。
 そして、出走場所についたので5:40。
 既に今日のブルべについての説明が始まっているが、何とか間に合った。
 急いで自転車を組み立て、着替え終わってから、ハタと気が付く。

 シューズが、無い。
 記憶を探ってみると当たり前のようにシューズを積み込んだ記憶がない。
 潔く諦めればよいものを、念のため車の中をもう一度ひっくり返してみるが、やはり無い。
 こうして僕は、長年履いてきたベージュのスニーカーと200kmを共にすることとなったのだ。
 足元が心許ない。
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 スニーカーでの参戦に不安を感じつつ、途中からになるがブリーフィングを聞く。
 ロングライド好きという”業”を背負った猛者たちが一様に大人しく説明を聞くさまは、何某かの圧力を感じさせる。
 今回の参加者は、総勢100人を超えるらしい。
 出発場所は、岩出山体育センター。
 古川駅から西に少し走ったところだ。
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 説明を聞き終わってから受付をして、車両点検を受けると即出発だ。
 みなさんが朝日の中で出発するのを見据えた後に、僕は今一度忘れ物がないかチェックする。
 これ以上、自分にハンディを課す必要はないのだ。
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 まず、キューシートを印刷していないことに気が付き、一番最初のコンビニで印刷する。
 ネットプリントって本当に便利。いい時代に生まれたものだ。
 キューシートとは、走るコースやPCなどを記載した紙。
 今回のブルべでは3つの『PC』と2つの『フォトコントロール』がある。
 『PC』は、通過を確認する場所で、今回は指定されたコンビニで買い物をしてレシートを残す必要がある。
 『フォトコントロール』は、通過確認のため、指定場所で写真を撮り示す必要がある。
 これらの用語は、今回のブルべで初めて知った。
 重ね重ね、本当に便利な時代になったものだ。

 なお、今回のコースは、岩出山から東に進み、石巻で折り返し、一関方面を回ってスタート地点に帰ってくる周回コースになっている。
 今から向かうのは、東だ。
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 出走開始からしばらく間をおいているので、周りには誰もいないかと思いきや、意外と周りにはブルべ出走者がいて、勉強になる。
 まず、みんなマナーがしっかりしている。
 僕は普段、2段階右折とか面倒でそのまま右折することが多い。反省。
 あとは、後続へのサインの出し方が人によって結構違い、出すタイミングなども結構勉強になる。

 これは仕方ないことだが、走っていて、道も広くないし信号待ちやら何やらで、集団ができてしまう。
 本来は間隔を開けなくてはいけないが、今回は出走者が多いので、コース前半はくっついて動くことになった。
 追い越すには、集団全員を越さなくてはならず、脚と勇気が足りない。

 やや追い風が吹く中で、しばらくダラダラと距離を稼ぐ。
 スニーカーでのペダリングは若干重いが、気にならない程度で良かった。
 好天の中、桜があちこちで咲いていてキレイだ。
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 最初のフォトコントロールは、68km地点の桜咲く『日和山公園』で公園案内図を写真に撮る。
 はい、パチリ。
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 桜がキレイだったので、もういっちょパチリ。
 そして、日陰から桜とブルべガールズを覗くさまが、自分を思わせて若干凹む。
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 第1PCは、76km地点の石巻のコンビニだが、写真は残していなかった。
 海苔巻きを2本買ってパクついてからすぐに出発する。

 ここまでは、比較的サクサク来れた。だって追い風だもの。
 コースはここで折り返し、これ以降は、ほとんど北上か東進かとなるわけだ。
 これまでの味方だった風が牙を剥く。

 第1PCを出発した後は、一人で走っていた。
 向かい風で集団がバラけやすくなったのだろう。
 いつもの一人旅だ。
 割と強めの向かい風の中、歌を口ずさみながら、前半に残した脚を使って気持ちよく走っていく。
 ただ、今思うとこの時の脳内BGMのチョイスが悪かった。
 脳内BGMが『さくらんぼ/大塚愛』で何故かテンションがブチ上がり、明らかにオーバーペースで走り始めたのだ。
 確か、何人か追い越したように思う。
 このペース管理ができないのが、自分の悪いクセだといつも思う。
 兎にも角にも、良い景色の中、気持ちいい一人旅が続く。
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 第2PCは、122km地点のコンビニで、ここも写真がない。
 パスタを食べている最中に、フォークを落とした。
 危険な兆候だ。
 意識外で行動が粗くなるのは、疲れてきたサイン。
 既に脚の8割が終わっている。

 その終わりかけの脚に気づかず、僕は再びペダルを漕ぎ始める。
 体感で残り2割の脚を惜しげもなく使って、2か所目のフォトコントロール151km地点の『有壁駅』に到着する。
 とりあえず、証拠写真をパチリ。
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 そして、ここで脚が終わる。
 そこから先の走りは、明らかにペースが落ちた。
 残り50kmなのに、筋肉が言うこと聞かない。

 「百里を行くものは九十里を持って半ばとす」という言葉があるが、この言葉はロングライドにおいて文字通りの意味でその通りだと思う。
 正直、脚を使い切ってからの50kmは本当にキツかった。
 何がキツイって、今回のコースのラスト50kmに数少ない登り区間のほとんどが集中しているのだ。
 これまでは気にならなかったスニーカーの重みもズッシリと感じるようになってきた。

 第3PCは、164km地点のファミリーマート栗駒里谷店だった。
 残った距離もそこまで多くないので、水とプリンだけ買ったのだが、出がけに店員さんが『頑張ってくださーい!』という声とともにバナナを渡してくれる。
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 一瞬キョトンとするが、言っている意味が解かると驚いた。
 ブルべ参加者へのサービスなのだろう。
 こういうことってあるんだね。
 気分がフワッと軽くなった。
 果たして、どういう形でこの借りを返せばいいんだろうか?
 この盛岡の情報中心で、かつアクセス数がクソ少ない、この底辺ブログで
『ファミリーマート栗駒里谷店サイコー!!全国のサイクリストはみんな行こうぜ!!』
と叫ぶだけでは足りないことは確かだと思うので、他の手段も考えたいと思う。

 とはいえ、気分が軽くなったところで残りの距離が短くなるわけではない。
 また、地道にペダルを回し続ける。
 こんなに疲れていても、やはり桜はキレイだ。何故か悔しい。
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 そして、しっかりコースを確認せずにいた僕は、突然の坂道の出現に大いに戸惑う。
 斜度は主に5%程度。
 その程度の斜度が、その時の僕には辛かった。
 インナーローにギアを突っ込んでもなお脚が重い。
 「リアルフラットじゃないんかい!」と心中で突っ込むが、この山だらけの島国のブルべにおいてトータルの獲得標高はかなり少ない部類だ。
 なんでもいいから、八つ当たりがしたかった。
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 3つほどの登りをクリアすると、残り5kmほどは平坦区間で、かつ追い風になった。
 最後の5kmは、天国のようだった。
 これまでが嘘みたいにペダルが回る。

 ゴール直前に、僕は近くを走っていた人に「リアルフラットって聞いてたんですけど…」と漏らす。
 その人は、「え?これより獲得標高の少ないブルべはありませんよ?」と優しく教えてくれた。
 そうして、ブルべを舐め腐っていたクソ野郎な自分への羞恥に染まりながら、僕はゴールをした。
 だれか、僕を土の中に埋めてくれないものか。

 そんな僕の羞恥はとりあえず置いておき、ゴール地点の受付に必要事項を記入したブルべカードを渡して、ブルべは終了だ。
 非常にあっさりとしている。
 完走してホッとしたが、同時になんだか寂しい。

 有料(1,000円)だがメダルをお願いした。
 後で郵送されるようだ。
 何か形に残るものが欲しかったのだ。
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 こうして、僕はブルべを終えました。
 晴天の中で気持ちいいロングライドが出来て大満足です。(反省点も多々ありますが)
 これで、更に『認定』してもらえるというのは、一石二鳥でとても良いですね。
 これだけ準備をして開催してくれたスタッフの皆様、本当にありがとうございました。お疲れ様です。

 ただ、「僕にとっては『ブルべ』じゃなくても良いかな?」といった感想もありました。
 楽しいロングライドなら、もっと別の形もあるなぁと。
 ソロライド、グループライド、ロングライドイベントなどなど。
 いつもソロライドばっかりだけど、自分がもっと楽しむにはどうしたらいいか考える必要を感じた今日この頃でした。

 最後に一つだけ言わせてください。
 『楽なブルべはありません!あと大会・イベントにシューズ忘れんなよ!』

【今回のリザルト】
 距離:201km
 速度:21.1km/h
 経過時間:9h52m
 獲得標高:1,311m
 消費カロリー:3,937kcal